![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/163848285/rectangle_large_type_2_ef251ac26daa50264864d774cf344907.jpeg?width=1200)
『民王R』あのちゃんが俳優に! キャラ壊して歌手にも挑戦……終着点はどこ?【新人ライター玉越陽子の「きゅるきゅるテレビ日記」】#31
![](https://assets.st-note.com/img/1732958128-5YUOlWCNgnrj6SZKcB38ibVk.jpg?width=1200)
群雄割拠の芸能界。ニューフェイスがあらわれたと思ったら、数か月後には消えちゃったりする。人材の入れ替わりは、お子様の新陳代謝以上に活発だ。そんな世界で生き残っている人たちは、さぞ大変な思いをしてきたんだろうなあ。ご苦労なこった。なんて労ってみたが、そんなこたあみじんも思っていない。失敬。
芸能人と一口でいっても、芸人、タレント、アイドル、グラビア、俳優など、さまざまな肩書・ポジションがある。その中でもひときわステータスを感じるのが「俳優」ではないだろうか。
で、くだんのあのちゃんである。『民王R』でしれっと俳優をしているじゃないか。ドラマ・映画『推しの子』にも出演するわで、アイドル→タレント→俳優と、華麗な転身である。
芸能界で生き残るためには、「世間に認知され、定着する」ことが絶対条件だ。しかし「認知される」と「定着する」の間には、「飽きられる」というフェーズが高確率で発生する。これを乗り切るため、もしくは陥ってしまった芸能人がよくやるのが、肩書の加筆修正(芸人が〇〇芸人として再ブレイク)、またはポジショニングの変更(アイドルが結婚・出産を経てママタレ市場に参入)だ。世間が抱いているパッとしないイメージの刷新を図るのである。
とはいえ、それをしたからといって必ずしも人気を得るわけではない。しかしなぜか、もともと俳優ではない芸能人が俳優の仕事を始めると、世間の評価はおおむね好評なことが多く、うまいことポジショニングを変更することができたりする。気づけば名脇役としてポジションを獲得してたりする不思議。「俳優」というステータスを手に入れたせいか、芸能人としての安定感も生まれる。現在の田中みな実やMEGUMIは、まさにそれ。加えて両人とも美容界隈でも大人気。絶対、シェアの食い合いが起きてるんだろうな。いまのところ、軍配は田中みな実か。
話をあのちゃんと『民王R』に戻そう。『民王R』は、総理大臣・武藤泰山(遠藤憲一)が国民全員と入れ替わるという話。あのちゃんは武藤泰山の公設第一秘書役だ。あのちゃんといえば、独特の話し方と一人称が「僕」という個性強めのキャラクターを背負って世間の前に登場し人気を得たのだが、ドラマの中ではいたって普通に話している。イライラしたらフリスク的なものを大量に食べるというキャラ設定はあるものの、いたって普通。
初回、総理大臣・武藤泰山と入れ替わったあのちゃんだが、このドラマ、基本的に入れ替わった人間は遠藤憲一演じる武藤泰山の演技をコピーすればOKという作りである。求められるのは演技力ではなくコピー力。コピー力はあったが、演技力は……。
今後、あのちゃんが俳優として活動していくのは未知数だが、自ら背負っていた個性強めのキャラクターは、だいぶ壊れたのではなかろうか。ただ、芸能界は“芸”あっての世界。キャラクターは大いに武器になる。その点を考えると、あのちゃんの俳優仕事進出は正解とは言い難いのかもしれない。ま、あのちゃん本人は、タレントでも俳優でもなく、「歌手」ってところにプライド持ってそうな気がするので、関係ないっすかね。