日々是暴食★トラウマめし【第6食】北朝鮮レストランの平壌冷麺と喜び組の歌声
本物の要塞が博物館に
軍事マニアではないのだが、軍事博物館があればできるだけ行くようにしている。戦争関係の展示物を見ればその国の歴史が1番よく分かるからだ。ウラジオストクはミリオタにはたまらない街で、そこら中に軍関係の博物館がたくさんある。
その中でも規模や展示物の多さでぜひ訪れたかったのが、海沿いにある要塞博物館。冷戦時は実際に使われていた本物の要塞をそのまま博物館にしたのだそう。入場料も数百円で安いのでかなりオススメ。
屋外には高射砲、迫撃砲、ロケット発射装置、装甲車。屋内には銃や刀などの武器関係に、ロシア軍のお偉いさんの銅像などが所狭しと並べられている。説明文はほぼロシア語なので想像して巡る。外国人旅行者が来ることをあまり想定していないところが、まだまだ観光地化開発されていないウラジオの魅力だ。
軍港で味わう海鮮料理
要塞博物館のすぐ近くには遊園地があり、レストランが立ち並んでいる。せっかく港町に来たのだからシーフードを食べよう。緯度で言えば北海道とほぼ同じ、漁場は日本海やオホーツク海なのだから魚介類は豊富に決まっている。
メニューに写真表示がなくよく分からないので勘で魚を頼んでみたら、焼き鮭がサラダの上に乗ってるのがきた。思ってたのと違うなあ。味はもちろん鮭だから旨いのだが、もうちょい塩が欲しい。そしてこれなら米と味噌汁の方が合うと思う…。
ちょっと消化不良だったので、レストランをはしごして生牡蠣を頼んでみた。殻付きだ。しかし身はちょっと細いかなあ…。日本ならポン酢だが、ビーツの入った紫色の酸っぱいソースをかけていただく。まずくはない、決してまずくはないが、日本の居酒屋のクオリティには及んでいない。これは鮮度管理の問題なのだろうか。
庶民的な店しか行っていないので高級店はまた違うかもしれないが、魚介類の食材の調理や扱いに関しては(特に生食)日本のレベルの方が数段高い
と正直感じた。あと普通に醤油で食いたくなる。
美女がお出迎えしてくれる北朝鮮レストラン
河岸を変えて夕食は北朝鮮レストランに行ってみた。当時、ウラジオ市内には3店舗ほど北朝鮮国営のレストランが営業していたはず。外貨獲得のために〝喜び組〟を思わせる北の美女たちが、東南アジアやロシアの店に派遣され、食事の合間に歌や踊りで客を楽しませるの大きな特徴だ。
私が訪れた店はちょうど韓国からのやってきた団体ツアーのお客さんたちが食事をしていた。北朝鮮コンパニオンがお国の民謡を歌い出すと、年配のオンマ、アッパたちも大合唱。朝鮮半島のソウルから約750キロ、平壌から650キロのウラジオストクで、イムジン河を飛び越えた南北友好がそこにはあった。
料理はというと、ほとんど韓国レストランと変わらない。酒はビールにチャミスル。小皿にキムチや豆もやしなどが出てくるのも一緒。ユッケ、牛肉の甘辛炒め、冷麺などを食べてみた。
おお、冷麺は平壌風の黒い麺だ。よく出汁が出ている透明な牛骨スープは滋味溢れる味わい。ツルツル、シコシコとした食感の麺はしっかりとコシがあるが盛岡冷麺よりも柔らかく、噛むとぷつりと切れる、絶妙なもの。スープにキムチを溶かすと味変となり辛味と酸味がよく交わってとにかく美味かった。
チャミスルも飲みきり、北朝鮮ギャルにお会計してもらいホテルへぶらぶらと歩きながら向かう。店を出ればみんなでっかいロシア人、なんか不思議な気分になった。途中スーパーへ寄り酒とつまみを買って寝る前にもう一杯。深い眠りについた。
続く