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厳しい裁判官も思わず恩赦? 出し子息子の美人ママ
【罪状】
詐欺・窃盗・電子計算機使用詐欺(審理)
初犯も初犯な初々しく控えめそうな顔つきの20代男性。膝の上に置かれた手はかすかに震えている……。
あらゆるものがデジタル化したことで、浦島太郎状態の高齢者を狙った特殊詐欺被害が、一旦減ったもののここ数年でまたもや増加中。そのため、よほど汲むべき事情がない限りは、前科なしだろうと即実刑判決となることが多いんだとか。
今回の被告人は犯罪とは無縁そうな20代前半の男性。ATMから被害者のキャッシュカードを使って150万円を引き出し、「出し子」デビューを果たした(そしてあっさり逮捕)。
指先までピンと伸ばし、震える声で反省の弁を述べる被告人。証人として出廷したお母さんは、お育ちの良さそうな色白美人。慣れない殺伐とした雰囲気の法廷に息子がいる状況にはまだ慣れていないようで、被告人を心配そうな面持ちで見つめている。
いや~人生、何があるかわからないですね。子供が生まれると尚更ね。
ところで、同じ裁判所に通っていると法曹のみなさんの顔も覚えてくるもので、今回の裁判官はちょっと厳しいイメージの人。だいぶ前、裁判中にため息つきながら被告人に静かにガチギレしてるところも見たことある(こわ)。さて今回は……。
「今回に限り執行猶予5年とします。いいですか? こんなことは極めて例外的です。執行猶予がつくことは、もう、二度とありません。お母さんのためにしっかり真面目に働いてください」
まだ正式な言い渡しではないものの、実刑を免除するという裁判官。この人も温情を見せるときがあるのか……。とにかく良かったね! もしかしたら美人ママのおかげかも?
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<著者プロフィール>
ヤスデ丸(やすでまる)
「実話ナックルズ」の女編集部員。埼玉生まれ中東ハーフ。いよいよアラサー。ついにYZF-R3を手放して、浮いた車庫代でフラメンコを習いに行くか検討中。「1万逃歩日記」「裁判傍聴ファイル」など不定期で掲載中
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