就職目前に見知らぬ女性にむしゃぶりついた泥酔大学生┃ヤスデ丸の裁判傍聴ファイル #10
これまで痴漢やちょっとしたわいせつ行為は「暴行又は脅迫」が構成要因の《強制わいせつ罪》には当てはまらず、せいぜい《迷惑防止条例違反》になる程度で、なんなら不起訴処分がほとんどだった。
しかし昨夏の刑法改正に伴い、《強制~》が《不同意わいせつ罪》として生まれ変わり、やや風向きが変わったようだ。
キレイな人だなと思って
大学卒業目前の被告人(22)は、友人と新橋の飲み屋でジョッキ10杯ほどの酒を飲んだ帰り、実家のある足立区の商店街を歩いていた。
「昔の同級生かと思って顔を覗いたら違う人でした。でもキレイな人だなと思って……」
被告人は突然「えいっ!」と被害者のAさんに抱きつき、コートの上から胸を揉みだした。
被告人に肘打ちをかますAさん(強い!)、その場に倒れ込む二人。懲りない被告人はAさんにキスしようとするが唇を噛まれ、その場から走り去ったという。
被告人も、証人として出廷した母親も、発言中には時折声を震わせていた2人。ウブな顔をぶら下げて新社会人らしい芸のない黒スーツに“着せられている”被告人はいかにもフツーの子。
(それでいえば、監禁暴行で起訴された百戦錬磨の売人はピンクのスウェット上下だったな……と回想)
しかし、まさか自分や自分の子がこんなところに立つ日が来るとは夢にも思うまい。人生というのはホントにわかりませんよな。
検察官「Aさんは厳しい処罰を求めているそうです。今後同じようなことが起きないようにどうするつもりですか?」
被告人「もう、二度とお酒を飲みません。
検察官「会社の付き合いでお酒を飲む場はありますよね?」
被告人「飲めないので、と断ります……」
会社や大学には今回の件は話してないというが……(バレなきゃいいね)。会社の研修よりよっぽどいい社会経験になったかも?
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