「新しいものを出してください」問題
こんにちは、ファッションアドバイザーのkikiです。
すっかりnoteも更新せずにあっという間に2020年になっていました。
さて今回取り上げるのはお客様のおっしゃる
「新しいものを出してください」「新しいものはありますか?」
という不可解なワードについてです。
ブランドや会社によってはスタッフ自ら
「新しいものがあるか見てまいります」「新しいものをご用意します」
といって在庫を出してきてくれることもあります。
ちなみに私がいつも買い物にいくようなお店では
大体後者のスタッフが自から頼んでもいないのに用意してくれるケースが
ほとんどです。
スタッフからするとお客様に対する親切心なのでしょうか?
せっかく言ってくれているので拒否すると失礼かなと思い用意してもらいますが心の中では「これ(試着したやつ)は展示品なんだろうか・・」
「このブランドは在庫をたくさん持っているのかな?」
「このスタッフはこの商品一枚にかかっているコストや利益を理解して言っているのだろうか?」
とか表情を伺ってしまう自分がいます。
ちなみに私が働くブランドは商品の型数とサイズ展開がとても多く
1つの商品に対してのSKU(商品の在庫の奥行き)が少ないです。
各1納品で売れたらフォローがくるという品番がとても多いです。
なので「新しいものを出してください」に対応できないケースが当たり前です。
ゆえにマネキンを脱がせるのは日常茶飯事。
「Mサイズは着せているもののみになります、今脱がせるのでお待ちいただけますか?」
こんなことが普通なのです。
なのでもし入荷のあった一枚を傷物にしてしまったら大ごとです!!
なのでフィッティングを利用して頂く際も、お持ち込み点数上限を設定していますし(他のお客様が手に取れなくなってしまうため)
ご試着前に商品を必ずお預かりして傷がないかチェックした上で
フェイスカバーも必ずご利用いただいています。
外国人の方でフェイスカバーの使い方がわからない方は
お着替えのお手伝いもするくらい・・笑
話がそれますが今まで出会ったフェイスカバー珍使用方法を2件ご紹介します。
どちらもヨーロッパ系の外国人のお客様だったのですが
1件はフェイスカバーを手渡したらフィッテイングマットの上に綺麗に敷いて
靴のまま上がられたケース。
土足禁止を日本の文化を汲み取ってくれた可愛い間違いでした。
もう1件はフェイスカバーの使い方をジェスチャーで伝えたつもりが
受け取るなりその不織布でゴシゴシ顔をこすり出しメイクを落とし出した人。
思いもよらぬ行動にとっさに止めることもできず、ヨーロッパ系のお肌の白い綺麗なお顔が摩擦で真っ赤になっていました。
本人は笑っていましたが、なんとも申し訳ない気持ちになりました。
今年はオリンピックもあって更に他国の方が増えそうなので
フィッテングルームに絵付きで使用方法を貼らないとダメですね。
さて余談はこのくらいにして
「新しいもの出してください」問題でした。
これを言うお客様って比較的若い層が多いのですが
9割の方が試着して購入するお客様です。
「え?あなたこちら今着ましたよね?自分は試着しているのに
他人が袖を通したものは嫌なんですか?これサンプルだと思ってます?」
と本気で言いたい。
この一枚を私たちは大事に販売しているんです、ひっくり返して
ぐちゃぐちゃのまま返さないでください。
「現品限りなんです」と言うと時々
「じゃあネットで買います」と言って帰られる方もいますが・・
ネットで販売しているものが全て新たしいと思ったら大間違いですよ。
店頭から流れているものも多いんですから。とは教えませんけどね。
この客層はフィッティングから出てきて
「戻しで」と言ってぐちゃっと着たものを返してくる層です。
いつもいつも思います。
「戻しで」ってなんやねん!!
「ちょっと合わなかったんで戻してもらえますか?」とか
「ちょっと考えたいんで戻してもらっていいですか?」とか
言い方ありますよね?
あぁただのグチになってきていますね。
この時期はいつも普段いらっしゃらない最終セール目的のお客様が多く
毎日不可解な言動や要望をされてストレスが溜まるシーズンです。
そんな時こそ春物を選んでくださる方やセール品でも気持ちよく
お買い上げ頂くお客様の有り難みも身にしみるんですけどね。
ちなみに私のお店では「新しいもの出してもらえますか?」
と聞かれたら「どこか気になるところは(傷など)ありますか?」
と聞いています。
そこで「いやただ新しいものがあれば・・」と言われたら
一点しかない旨をお伝えします。在庫があるものなら出しますが
その際はレジカウンターでお客様の前で傷がないかチェック、納品ジワも
入った状態なのでそれでもいいかとお伺いします。
そしたら「やっぱりさっきのでいいですか?」と言われることも多いんです。
店頭に出すまでに検品をしてシワをスチームかけして店頭に並べる。
いかに私たちが大事に扱っているのかを知ってもらうのです。
色んな会社の方針があるから新しいものを提供することが
サービスだと言われればそうなのかもしれません。
ハイブランドはそのサービスまでが商品代に入っているでしょうから
いいと思います。
あと店頭のものが明らかに汚れていたりニットが劣化していたりも
仕方がないでしょう。
ただ思うのは何も考えずにマニュアルとして
「新しいものを用意します」と言うスタッフが世の中には
多すぎると思うのです。
本当にそれが目の前のお客様にできる最大のサービスですか?
私たちは新しいものが用意できないけれど
それ以上にご満足いただけるサービスを接客で取り入れていける方が
お客様の印象にも残るし、次世代を生き残れるFAになると思っています。
と言うか、店頭に並ぶ商品もそもそも
「新しいもの」ですからね、中古じゃないんです。
2020年最初の最初の投稿はグチと大手ブランドに対するヒガミみたいに
なっちゃいまいした・・・
自分のお店は自分たちで守る。
明日も不特定多数のお客様に笑顔で帰ってもらえるように
私たちが笑って店頭に立つこと!
そこから新しいお客様との出会いが始まります。
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