体重の設定変更について

3年前に体重を10kgちょっと落とした時、やたらと眠たくなって、冷えを感じる時期がありました。
糖質コントロールをすると、疲れや眠さを感じなくなると聞いていいたのにおかしいなと。
でも、その謎がようやく解けました。
人間には適正体重という脳内で設定したセットポイントがあって、食べても食べなくても、概ねそのセットポイントを維持するようにできているのだそうです。
私の場合、摂取カロリーが極端に少なくなったため、体重を維持するためにエネルギーを抑えるようになり、眠たくなったり冷えを感じたりしていたのです。
ここで体重が下がったとしても、しばらくするとまた元の体重に戻ってしまいますが、これも脳内で設定したセットポイントがあるからで、これがリバウンドの原理です。
自身の体重をコントロールするにはこのセットポイントを変更する必要があります。分かりやすく言えば設定変更するための長押しボタンです。
面倒なので論拠は省きますが、体重をプラス側に設定変更するにはインスリンを出し続けることで成立し、マイナス側に設定変更するには逆にインスリンを出さない時間を長く持つことで成立します。
インスリンを出し続けるというのは糖質を過度に摂取するということを意味しますので、甘いものばかり食べていると太るということと一致します。
ちなみにインスリンはストレスホルモンなのでストレス状態が長く続くのも太る原因となります。これは食べなくてもそうです。身に覚えのある人もいるのではないでしょうか。
さらに蛇足ですが、太るというのは、エネルギーを脂肪として蓄えることであり、これは人間に与えられた特殊な能力です。獲物にありつけるかどうか分からない原始の時代に大陸を横断できたのもこのエネルギーを蓄える能力を備えていたから。エネルギーを蓄えることは生命を長く維持することであり、それは本能的に快楽とみなされ、糖質を摂ると快楽ホルモンであるドーパミンが出てやめられなくなります。これが糖質の中毒性の原理で、私がキットカットを食べるとなくなるまで食べ続けてしまうのもこのせいです。糖質は麻薬。砂糖は白い悪魔です。手を出さないよう気を付けましょう。
では体重を減らす設定変更はどうするのかと言うと、一日で連続して16時間食べないことです。
設定変更は長押しボタンのようなものなので忠実にこれを実行しないと設定は変わりません。当然、一日だけでは設定は変わらないので、少なくともこの状態を2週間続けないといけません。私の感覚ではさらにそれを維持するために2ヶ月くらい続けないと意味がないと思っています。
これはそんなに難しいことではなく、夕食を20時までに終えて、次の日の朝ごはんを抜いてお昼まで食べなければ良いのです。
こうすることで脳が本能的に飢餓を感じて、今まで糖質に由来していたエネルギー回路を自身で蓄えている脂肪を燃焼して得られる回路にシフトします。その方がエネルギー効率が良いからです。その結果として体重が落ちます。
生命を維持するために蓄えていた脂肪を燃焼させるのは簡単なことではないのですが、長押しボタンで設定変更することで体重のセットポイントを下げ、そこまで脂肪を燃やして良いという指令が入り脂肪を燃やす回路に切り替わります。
個人差はあると思いますが、一回の長押しでセットポイントが4〜5kg下がります。そこまで到達すると停滞期に入り中々体重が落ちなくなりますが、さらに長押しボタンを押し続けることで4〜5kg設定が下がります。
この原理を使うことで自在に体重をコントロールできるようになります。
セットポイントから話は逸れますが、フルマラソンの30kmの壁や登山のシャリバテなんかも、このエネルギー回路が切り替わらないことによるものではないかと思っています。
餓死しても脂肪は1〜2kg残っているというので、脂肪エネルギーは無尽蔵にあると言っても過言ではありません。しかし、体内に蓄えられる糖質は有限で、おおよそ90分間強度の高い運動すると枯渇してしまう程度の量しか蓄えられません。
これがシャリバテや30kmの壁の原理ではないかと思っています。脂肪はたっぷりあるのに回路が切り替わらないため、空腹感で動けなくなる。足が前に進まなくなる。
糖質コントロールは体重の設定変更の長押しボタンとしての意味もありますが、それ即ち、エネルギー回路を変更することでもありますので、平時からこの脂肪燃焼系回路に切り替えておくことで、疲れ知らずに永遠と走り続けることができます。
私は図らずもこの原理通りの経験を経て、体重73kgから体重61kgに落として、食べても食べなくても、ほぼこの体重を3年間維持しています(身長は180cm)。
これはセットポイントが変わったとしか説明がつかないのでこの話を聞いた時に過去に抱いていた疑問が氷解して、自分がしてきた体験も納得が行きました。
その結果、私は疲労を感じたりすることなく70〜80kmくらいなら走れるようになりました。もちろん目標は100マイルです。
ウルトラマラソンやトレランで長い距離をやる人はこの原理を覚えておくと有意義な人生が送れると思います。

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