そして、料理に恋をする
「#まるのつかない日は料理本デー」
今回ご紹介するのは「そして、料理に恋をする」です
のほほんと暮らしていた私が初めて「世の中には自分の想像をはるかに超えた金持ちがいるようだ」と気づいたのは、高校の時だった。学校の近くに住む同級生の、家だと思った建物が単に「蔵のひとつ」であり、本当の母屋が塀の外からは見えない距離の奥の方に鎮座ましましているのを見たとき、私は大人の階段を上った。卒業後、帰省時に街で偶然出会った彼女は「東京でお世話になってる人へのお土産」と大きなアワビを3個も