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神戸から徳島へ ~お遍路旅の準備~【お遍路道中膝栗毛:序章】

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大学4年生だった私が、四国歩き遍路に挑戦した理由【お遍路道中膝栗毛:まえがき】

さて、いよいよお遍路の旅へ出発しましょう。
・・・と言いたいのですが、その前に。

見知らぬ他人の日記をいきなり読まされるのって、なかなかハードルが高いですよね。
「この人、誰?」「何が目的?」「何の話してるの?」となるのも無理はありません。

たとえば、
「へんろみち保存協会が……」
「あのお遍路さんは逆打ちで回ってて……」

なんて話が突然出てきても、お遍路に詳しくない人からすれば「???」となるでしょう。

また、日記という特性上、私の個人的なエピソードや背景情報も頻繁に登場します。
これらの情報が整理されていないと、これまた読んでいる途中で「???」と気が散ってしまうはずです。

そこでこの序章では、本編をスムーズに楽しんでいただくための“旅支度”として、お遍路の基礎知識や私自身のバックグラウンドをお伝えしておきたいと思います。


お遍路とは?

まず、そもそも「お遍路って何?」という話から。
お遍路とは、弘法大師(空海)が修行した霊場を巡る巡礼のこと。
で、一般的に「お遍路」と言えば、四国にある88ヶ所の札所(お寺)を巡る旅を指します。

お遍路に挑戦する目的は、人それぞれです。

  • 煩悩を取り払いたい

  • 先祖の供養をしたい

  • 家族の健康を祈願したい

  • 自分探しがしたい

  • なんとなく興味本位

お遍路をする人のことを「お遍路さん」と呼び、中でも徒歩だけで回る人は「歩き遍路」と呼ばれます。
ちなみに、歩き遍路の距離は約1,200km。
もちろん道に迷ったり寄り道したりすると、この距離はさらに伸びます。

また、お遍路にはそれなりに費用もかかります。
歩き遍路の場合、宿泊代・食事代が大部分を占め、1日あたり1万円程度かかることが多いです。


遍路中の私の装備

お遍路には、「お遍路装備」として定番のアイテムがいくつかあります。
私が実際に旅で使ったものを紹介すると——

  • 笠(菅笠。日除け&雨よけ)

  • 金剛杖(歩きのサポート+巡礼の象徴)

  • 山野バッグ(納経帳・線香・ライター・納め札などを収納)

  • 袈裟(簡易版)(首からかける。ガチっぽくなる)

  • 白装束(お遍路の正装)

  • 寝袋(野宿用)

  • アルミシート(野宿時の防寒用)

  • 財布(ゆうちょのキャッシュカードがあると、なおよし)

  • 着替え(3日分くらいあれば、使いまわせる)

  • リュックサック

このあたりの装備があれば、最低限のお遍路旅はできます。


本マガジン内に登場するお遍路用語

本編では、お遍路ならではの専門用語がたくさん出てきます。
スムーズに読み進めていただけるよう、代表的なものをピックアップしておきます。

  • 納経(のうきょう) ・・・お経を唱えた証として、納経帳に記入・押印していただくこと。

  • 納経帳(のうきょうちょう) ・・・ いわゆる御朱印帳。お寺ごとに墨書きと朱印をいただく。

  • 札所(ふだしょ) ・・・四国八十八か所のお寺のこと。

  • 打つ(うつ) ・・・札所にお参りすること(参拝の際に木札を打ち付けた習慣が由来だとか何だとか)。

  • 順打ち(じゅんうち) ・・・1番札所から88番札所へ、順番通りに巡ること。

  • 逆打ち(ぎゃくうち) ・・・88番札所から1番札所へ、逆回りで巡ること。難易度高め。

  • 納め札(おさめふだ) ・・・参拝時に納める名刺のようなもの。お接待のお礼として渡すことも。

  • 接待(せったい) ・・・地元の方が、お遍路さんに飲食物や宿泊場所を提供してくれる文化。

  • へんろ小屋 ・・・遍路の道中にある休憩・宿泊用の小屋。地元の方の厚意で運営。

  • 善根宿(ぜんこんやど) ・・・お遍路さんを安価or無料で泊めてくれる宿。

他にも色々ありますが、本編の中でも適宜説明を入れるので、あまり気にせず読み進めていただけるかと思います。


本マガジン内に登場する私の個人情報

旅の話をする上で、私の生い立ちや縁のある土地もよく出てきます。

  • 神戸(兵庫県神戸市)・・・実家がある

  • 川之江(愛媛県四国中央市)・・・母方の祖父母の家がある

  • 高知・・・父親が単身赴任していた

  • 京都・・・大学時代の4年間を過ごした


免責事項

このマガジンに収録している日記は、21歳・大学4年生だった当時の私が書いたものです。
正直、今の自分からすると「だいぶ未熟だったな・・・」と感じる表現や行動もあります(今なお未熟ですけども)。

また、特定のお寺に対して辛口なコメントをしている部分もあるのですが、あくまで21歳当時の私個人の感想です。
決して、お寺や関係者を批判する意図はありませんのでご了承ください。

また、当時の私は「できるだけ短期間で回ること」にこだわっていたため、わりとストイックな行程を組んでいました。
しかし、お遍路の楽しみ方は人それぞれです。
「速く回るのがすごい」とか「じっくり回った方が偉い」とかいう話ではなく、自分なりのスタイルで取り組むのがベストだと思います。

では次回(か、その次)から、いよいよ実際のお遍路日記をお見せしたいと思います。

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第1章:徳島編 ~発心の道場~(2月4日~2月8日)

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