005読書_君は月夜に光り輝く1
こんばんは。
いかがお過ごしでしょうか。
先日、BOOK・OFFで佐野徹夜さんの「君は月夜に光り輝く」と出会い、手に取りました。
不治の難病を抱えた余命わずかな少女に、姉の自死という大きな出来事を経て、死への憧れを持つ少年が出会い互いに惹かれていくという、生と死が描かれたラブストーリーでした。
ヒロインの「まみず」は、お見舞いにきた少年に、自身の死ぬまでにしたいことを託して、代わりに実行してもらおうとしたのです。そんな交流を通して、淡い恋心をもち、互いに惹かれあっていき、「生」「死」への向き合い方が変わっていくのです。
物語の後半で「まみず」は、
「私は、ずっと死を受け入れようと必死だった。それが人間の摂理だって言い聞かせた。死なない人間なんていない。生きることへの執着を、一つ一つなくしていきたかった。」
と出会った時の心情を吐露し、
「あなたのせいで、私はもう、生きたくてしょうがないの」
と変化した心をあらわにしています。
そして、最後の瞬間に彼へ、
「死ぬのは怖くてたまらないけど、怖くて怖くて心臓が止まっちゃいそうだけど。でも、もう、怖くありません。幸せです。卓也くんは、どうですか?どうか私のために、幸せになってください。あなたの幸せを、心から祈っています。」
という言葉を残して旅立っていくのでした。
私には、「生」と「死」の間で必死に葛藤する彼女の姿がとても切なく、しかし、とても力強く感じました。
<次回へ続く>
合掌。南無阿弥陀仏。
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