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どうすればあの人は変わってくれるのか?

「みんなの学校が教えてくれたこと」を読みました。教育関係者には大変有名な、大阪府立大空小学校のお話。今の日本の学校教育の常識をとっぱらい、生徒ひとりひとりを尊重し、地域も巻き込んだ、お互いの学び合いの実話です。

この本を通じて、自分自身の姿勢について考えさせられました。知らず知らずのうちに、自分でも無意識に持ってしまっている「学校はこういうもの」という常識や、「学びはこうするもの」「子供だから」といった思い込み。心のどこかで物事を決めつけたり、あきらめたり、目を逸らしたり。向き合うと言いながら、言い訳や逃げ道を見つけてしまってないか。最後まで信じてあげられているか。そんな問いをつきつけられた気がします。

子供は、相手は、自分の鏡です。世の中は相互に影響し合うシステムなので、自分ひとりでは成り立たないし、相手は必ず自分の影響を受けています。そして、1対1だけではなく、チームや組織も、そこにいる全ての人と環境の影響を受けて成り立っています。相手が悪い、相手に変わって欲しいではなく、自分自身のあり方を見つめ直すところから。結果的にその方が相手が変わることにつながります。

本の中でも「文句ではなく意見を」と校長先生が親御さんに言うシーンがあります。もちろん、すべてを自分のせいにする=自分を責めるのではなく、でも相手を責めるのでもなく、何が起きているのかを見つめて、よりよい現実を生み出すために自分から変わる、自分から意見を出して動く、ということが、いろんな言説にあふれる今の状況だからこそ大切だと改めて感じられました。

私は「教育者」という言葉はあまり好きではありません。教えて育てるという一方的な関係ではなく、互いに学ぶ、向き合ってお互いに変わる、というのがしっくりきます。正解のない問に向き合い、相手に変化をもたらす「学びのプロ」は、自らの認知の限界を認識し、新しいチャレンジをいとわず、常に変わり続ける存在であるべき。そうでありたい、と思います。

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