久々原仁介@文学フリマ東京ちー15
自作短編だけを集めています
noteに掲載している短文詩をまとめています。
◎あらすじーーーーーーー 海沿いの街、梶栗郷にひっそりと佇むファッションホテル『ピシナム』は、2019年2月にその歴史に終止符を打った。 ホテルマンとして働いていた青年の磯辺は、ライターの秋山千鶴から『ピシナム』の取材を持ちかけられていた。磯辺は取材を経たのちに、かつてホテルを利用していた女子高校生「R」との出来事を思い返す。 当時、ホテルを訪れる度に風貌の違う男を連れまわすRを、磯辺は次第に気に掛けるようになっていった。2人は顔を合わせることはなく、声を掛け合うことも
彼女が、僕の少し前を歩いている。 僕らは、繁華街から少し外れたところにある旦過の方まで歩いた。旦過には、神嶽川という河川上に張り出した建築物が並んだ魚市場がある。市場の店は閉まっているけれど、夜になっても通り抜けはできる。 歴史を感じさせる老舗が並ぶ一方、夜の旦過市場のなかは街灯がない。まるで洞窟のように、風の音と前を歩く彼女の「カツン、カツン」という足音が響き渡る。 「ねえ、ハルキ」 振り返らないまま声をかけてくる。 距離感、歩く速さ、視線、息遣い。わずか
╭━━━━━━━╮ #文学フリマ東京39 ‼️お品書き‼️ ╰━━━v━━━╯ 📍ブース:ち–15 『リアス式海岸』 🗓12/1(日) 12:00〜17:00 🏢東京ビッグサイト西3・4ホール 人を愛するが故に欠けていく アナタの背中に名前をつける これは 羽ばたくための物語
ご無沙汰しております。 しばらくは文学フリマの準備でなかなか投稿ができませんでしたが少しずつ再開してまいります 何卒宜しくお願いします🙇
僕にとって小説を書くというのは、運命を変えるための実験だ。
文学フリマ東京に向けて新刊を作成中…
僕はだいたい生きることに疲れている。 別に希死念慮や自殺願望があるわけじゃない。ただ、疲れている。 疲れが回復しないまま、スーツを着て、仕事へ行き、次の疲れが溜まり、小説を書き、家事をする……まるでトイレの排水溝に紙が詰まってしまったかのようにカラダの輪郭に沿って疲れが溢れかえっている。 よくよく考えると、これは不思議な現象だ。 この疲れがどこから来てどこを由来しているものなのか、実のところは曖昧だった。何をしても疲れている。病気かもしれないと思って、医療に
本日は仕事が多忙なため詩の毎日投稿はお休みさせていただきます
夜に夜行列車に乗った どこ行きかも分からない夜行列車 窓に映る、僕と闇と信号機 進んだら 戻れはしない夜行列車 眠る者、夢見る者、遠くを見つめる者 それぞれの夜が、ひそやかに流れ 揺れる心も、揺れる体も トンネルをくぐり抜けるたび 入れ替わる そんな気がする 揺れる、揺れる、揺れる 夜の道は果てしなく、行き先も儚く 夜行列車 進む、見えぬ朝を求めて
君の骨を蛍光灯にしよう 棺のなかへプロポーズ 細い肋骨を 少しの間借りてくね 白いひかりの細い骨 天井からただ浮かぶだけ 昼夜の区別もなく 音もなく、揺れることもなく 冷たく澄んだ青白い光 僕の目を照らしながら 微笑んでるのだろうか 疲れた夜に寄り添うわけでもなく 朝の日差しに負けることもなく ただただひたすらに 蛍骨光は命を削る
君の膣内に薔薇をみた それは青い薔薇だった 引き抜くことはできなくて 押し込むことしかできなくて 僕はこれを何て呼んだらいいんだろう 薔薇は段々と伸びてきて 君の膝丈スカートから顔を出す 赤い布から溢れる薔薇の花 歩くたび 揺れては落ちる花びらを 見知らぬ男たちが集めてる 薔薇はだんだん伸びてきて いつかは貴女を飲み込んで 触れることのできない繭になる 血だらけの 君を妄想にして 耽る
僕は考える この世で最も美しいものって 何も入っていない冷蔵庫だと思う 僕は考える 何も入ってないない冷蔵庫は 眩しい。こんなにも眩しい そして 開けるたびに少し寂しい 僕は考える 蕾のまま 折れてしまった桜の枝を 冷蔵庫の中に入れたのは 去年の春の出来事だった いつしか捨てていったのを 覚えていない僕だから この冷蔵庫は空のまま
文学フリマ福岡、たくさんのご来場ありがとうございました!! 次は東京です!頑張ります!
╭━━━━━╮ 文学フリマ福岡10 ‼️お品書き‼️ ╰━━v━━╯ ブース:Cー4 『リアス式海岸』 10/27(日)博多国際展示場 アナタの心の本棚に 隙間が空いているのなら 僕と、出会うためだと言ってくれ 作品URL kakuyomu.jp/users/nekutai
今朝歩いたアスファルトに 大きな穴が空いていたのが悲しいのは 待っていたよ、なんて声が 響いたからかもしれない 夜が零していったのか 落とし物として届けても 自分にだけわかる言葉が そこに浮いてるような気がして ずっとそこで話していたいけど 会社があるから行かなくちゃ 夜に迷子を置いていく 少しだけ泣いているようにみえる 帰る頃には埋められた もう夜は きっとどこにも落ちてはいない
海に沿いを繋いで垂れる電線を 無言の糸だと言ったのは 夜になりかけたときのことだったね 夜と朝 境界線を引いたのは誰だっけ 無言の電線、空を舞い 知らないフリして伸びている ただひたすらに、誰かを結ぶ 無言の糸になれたなら それを幸せと呼べるでしょうか ほんとうは とまり木のように生きてみたかった