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ASD(発達障害)の大人の考えが幼いという意味

・幼い考えのイメージ

考えが幼いというと、「わがまま」「すぐ泣く」などのような、子どもが取る言動のイメージがあります。
確かに、実際にそういった大人の人たちもいるので、いろいろと誤解を受けやすいところがあります。

・大人のASDの人の考え

私自身の感覚にはなりますが、大人のASDの人の幼さの場合、小学校で学んだ「ルールを守る」「相手に迷惑をかけない」「嘘を付かない」といった考えを大人になってもそのまま遵守して、社会に出てもそのやり方で生き、相手にも求めてしまうことにあります。
もう一つ、感覚過敏があるために、普通の人であれば気にならない音・光・言葉といったものへの耐性が低いので、我慢できない人として扱われることもあります。

・起こりやすい弊害

本人はまじめに生きているので、周りの人もうまく指摘しづらくてなんとなくの指摘になったり、本人も気付かずに「自分は悪くない」となってしまいがちです。
例えば、仕事面では、「挨拶はしなければいけないことはわかっているので挨拶はするけれどすぐに自分の作業に戻ってしまう」「期日通りに仕事を進めなければいけないので決裁者の上司をせかしてしまう」といった、周りの人から見るとヒヤヒヤする言動を取ってしまいがちなのですが、ASDの人本人は「きちんと挨拶をした」「期日を守ろうとした」と主張し、周りの人は「それはそうだけど、う~ん、とにかく失礼だと思う」となってしまい、その形のない指摘にASD特性も加わって納得できないのです。
また、感覚過敏の例として、自分が作業している場所の周辺で会話が始まると気になってしまい、作業に集中できなくなってしまいます。
「仕事中なので静かにして欲しい」という自分の考えと「今必要な仕事の話であり場所を選んでいる場合ではない」という相手の考えですれ違いが起こる場面がよくあります。

・大人のASDの人の「幼い」にどう対応していけば良いか

ASD特性があるといえど、本人はまじめに仕事に従事したい気持ちがあります。
なので、まずは、形のない情緒的な振る舞いに対してではなく、勤務態度が良いことや仕事自体はこなせることなど、形としてできたことに対して評価をして言葉で伝えていくと、ASDの人にとってはわかりやすく自信になり継続意欲に繋がります。
私自身も「喋ったり動いたりしてまた何か言われたらどうしよう」と自分の言動は全て間違っているのではないかという思いから理由もなく常にビクビクしやすいのですが、そう対応してもらえると安心材料になるというプラスの経験があります。
感覚過敏に関してもですが、残念ながら本人の努力やお薬の力で良くなることはないため、ささいな音だったとしても、「これくらいの音で」という感覚ではなく、例えば、自分が寝ようとしている時に外で規定外の大きな音を出して車が走ったら自分はどう思うか、のような感覚で配慮していただけると助かります。

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