お笑い芸人が「頭がいい」理由~M-1やTHE MANZAIを観察する~

M-1やTHE MANZAIなど、年末になり、お笑い番組の特番が多く放送される時期になりました。

漫才はどうやって作るのでしょうか。

M-1やTHE MANZAIを見ていて、以下の結論に達しました。

まず、物を見る目の解像度を上げる。

解像度とは、「画像の精細さを表す尺度のこと。画像を構成するピクセルの数で表し、数が大きいほど精細。(中略)解像度が高いほど精細な表現が可能になる。」(ASCLL.jpデジタル用語辞典)

漫才のテーマを見ていくと、自分たちになじみがあるものばかりです。

赤ずきんちゃん、怪談話、授業参観など。

これらをよく見て、「あれ?ここよく考えたらおかしいよな?」と思う部分を広げていきます。
視野を広くする。という言い方もあります。
生活の中で流しがちであることを少しだけじっくり見てみる。
「おかしいな」と思ったことを流さずによく見てみる。
そうすることで、ネタはできていきます。

生活の中でテーマを見つけることは、もう1つ利点があります。

多くの人が知っていることをネタにすると、前提条件の説明がいらなくなるので、テンポが良くなります。また、共感も得やすいので、聞いてもらえる確率が高くなります。
漫才に限らず、最初で話を受け入れられないと、なかなか聞いてもらうことができません。

つかみが本ネタと関係ある時もあれば、自己紹介の時もあります。
これは、ネタによってはどうしても最初の部分が受け入れ難いものがあります。
この場合、自分たちに興味を持ってもらうことで、聞いてもらえる確率が上がるのではないでしょうか。

こうして、解像度を上げて見つけたおかしなところを、いろいろな言葉で表現していくことで、ネタを作っていきます。

いろいろな言葉は、日常で多くの言葉に触れていく必要があります。
言葉は知らなければ使えません。さまざまな言葉を自分の中に仕入れつつ、多くの人と関わりながら、誰でも通じる言葉と、専門用語を区別していきます。

そして、作ったところで人に見せ、評価をしてもらう。

評価は、具体的なアドバイスもあれば、お客さんがどの部分で、どれだけ笑ったかを観察し、統計を取っていくという場合もあります。

自分が面白いと思っている部分と、人が面白いと思う部分があっているかどうか、チューニングして、1本のネタが完成していきます。

漫才を作ることで、観察力が鍛えられますし、多くの言葉について考えるようになります。そして、人の評価をしっかり直視します。

お笑い芸人はよく「頭がいい」と言われますが、上記の事をしているから、「頭がよくなる」のではないでしょうか。

いいなと思ったら応援しよう!