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極渦
今年の冬は日本各地が大雪に見舞われている。北海道ではここ数日降雪がないものの、排雪が進まずストレスを抱える地域がいまだに多いようだ。
先日、気象庁による今年の大雪についての発表をニュースで見た。
ラニーニャらしい。過去にもラニーニャの年は大雪や厳しい寒波があった。ラニーニャの影響で偏西風が日本付近で大きく南に蛇行し、寒いシベリア高気圧が降りてきているそうだ。高気圧なのに寒いという、にわかに承服しにくい語感であるが、寒いのは間違いない。偏西風という防壁が崩れて「冬将軍」が南征してきていると理解すれば良いだろうか。
それよりも、上図で気になったのが「極渦」である。馴染みのあるシベリア高気圧どころではない。すぐ上まで「極渦」が迫っている。怖い。なんなの。ブラックホール的なヤツなの。吸い込まれるの。
そもそも、どう読むのだ「極渦」。
ニュースでも一切読まれなかった。気象庁のページは、というと、ふりがながない。
妻と真っ二つに意見が分かれた。「きょくうず」(わたし)と「きょくか」(妻)。血みどろの殴り合いこそ起こらなかったが、互いに一歩も譲らない。
心に冷や汗をかきながら、ふたり同時にググる。『だから僕は、ググらない。』という姿勢は大事にしたいが、平和維持のためには、あっさりググることも必要だ。平和のために覗いたWikipediaには以下の文。
どっちも合ってた。平和は保たれた。Wikipediaの情報だけでは心許ないが、それ以上調べるという選択肢はなかった。平和が第一だ。
わたしの「きょくうず」は「じゅうばこ」読みである。文学部出身の妻は音読みと訓読みが混在することに違和感があったようだ。一方、わたしは「きょくか」読みでは渦(うず)の印象が薄まることをもったいなく感じたのだ。言葉の感覚の違いが感じられてちょっとおもしろかった。
なお、Wikipediaを読んでも「極渦」が何なのかよくわからなかった。まあ、特に危ないような情報もなかったし、寒いのが冬だからと、すっかり気にならなくなっている。のど元過ぎれば何じゃらほいだ。
先日の大雪から打って変わって、ここのところ低温が続いている。さすが大寒といったところだ。もしかしたら「極渦」のせいなのかもしれない。知らんけど。
帰ってきてニット帽をぬいだら、もみあげに究極の渦が巻いていた。