忘れないで生きていくこと
いとうせいこう『想像ラジオ』。
こころの深いところにずしんときた。こんな描き方があるのか。
いなくなったひとをずっと心に置いて生きるということ。
戦争、災害、事件、それだけではない、大小関係なく個人個人にも悲しい出来事はある。
そういう過去があったこと、いなくなった人たちの思いがあったことを大事にして、新しい世の中を考えることって、とても大切なことなんだと改めて気づかされた。
そういう丁寧さが、追われるような日々の中で、欠けてしまってやいないだろうか。
いなくなった人と共に生きること、おかしいことなんて何もない。忘れる必要なんてひとつもないのだ。
なんて文学だろう。しばらく心が落ち着かない気がする。
素晴らしいレビューをみつけたので貼っておこう。