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成功している組織とそうでない組織の差、「知っている」と「やっている」の壁

仕事柄、病院の経営戦略会議や運営会議などに参加する機会が多くあります。最近特に感じるのは、「知っている」ことと「やっている」ことの間に大きな差があるということです。

成功している組織にはある共通点があります。それは、「知っている」ことを確実に行動に移し、「やっている」状態を作り上げていることです。一方で、課題を抱える組織には「知っている」けど「やっていない」というパターンが多く見られます。

例えば、病院経営においてよく耳にするのが、「組織がまとまらない」「方向性が見えない」という悩みです。この解決策の一つとして「ビジョンが大切だ」ということは、多くの職員が知っています。

経営層や現場からは次のような声が聞かれます:

  • 「明確なビジョンがない」

  • 「ビジョンがお飾りになっている」

  • 「だから組織がまとまらない」

しかし、実際にビジョンを定期的に見直し、現場で実践できる形で発信している組織は多くありません。

「知っている」と「やっている」をつなぐ行動

「知っている」とは、単なる知識がある状態です。一方、「やっている」とは、その知識を行動に移し、継続して習慣化されている状態を指します。この二つの間には大きな壁が存在します。

この壁を乗り越えるために必要なのが、「やってみる」というステップです。なぜ「やってみる」が重要なのでしょうか?実際に行動することで、次のような気づきが得られます:

  • 想定外の課題が明らかになる

  • 他の人からのフィードバックが得られる

  • 意外と簡単に成果が出る場合もある

しかし、「やってみる」にはさまざまな壁が立ちはだかります。例えば:

  • 「人材不足で忙しい中、新しいことはできない」

  • 「周囲の反対や抵抗にあうかもしれない」

  • 「うちの組織では難しい」

どの組織にも共通するこれらの悩みをどう乗り越えるかが、差を生み出します。

そのポイントの一つが、「小さな行動からスタートさせる」ことです。自身や自組織が無理なく取り組めるレベルまで行動を小さく分解し、まずは「やってみる」。このアプローチが壁を乗り越える鍵となります。

ドラッカーに学ぶ「小さく始める」

マネジメントの父、ピーター・ドラッカーは次のように述べています:

「イノベーションを成功させるには、小さくスタートしなければならない。大がかりであってはならない。具体的なことだけに絞らなければならない。」

この考え方は、日常の業務改善や組織づくりにもそのまま当てはまります。

例えば、ビジョンの共有であれば:

  • 朝礼やミーティングでビジョンの一部を一言共有する

  • ビジョンを実現するために、「今日やること」を一つ決める

これらのような小さな行動が、「知っている」から「やっている」への転換点となります。

まとめ:大きな変化は小さな行動から始まる

往々にして私たちは、人の目や周囲の期待を気にしすぎて、大がかりなことや立派なことに取り組もうとしがちです。しかし、大きな変化は、小さな行動を積み重ねた結果、起こるものです。決して最初から大きな行動をする必要はありません。

「やってみる」を始め、小さな成功体験を積み重ねることで、次第に「やっている」状態が生まれるのではないでしょうか。

少しでもヒントになれば幸いです。

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