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常緑の木々以外は寝静まっている状態から夜明けの空の変化がはじまる
はじめに
けさちょうど夜明け間近に職場についた。この時間帯の山際の空はほんとうにさまざまな色合いに染まりため息をつくほど。庭の草木は寝静まったようにぴたりとも動かない。こんな風のないすっかり晴れた早朝は霜が降りるはず。みるみる明るくなり、うっすら地面は白くみえる。やっぱり一面は霜だった。
きょうはそんな話。
0℃をしめす
マンション下の車を始動。屋外はマイナス1℃で路面凍結に注意の文字が見てとれた。車がさまざま注意をうながしてくれる。たしかにそう。雪がやんでやれやれのところにこんどは早朝の低温。一見すると道路の状況はふだんと変わりないように見えてじつは凍っていることが。
このほうが雪以上に注意が必要。いつもよりこころもちハンドルをしっかりホールドする。わりと重心の低い車で安心できるほうだが、それでも「凍っているつもり」の態勢ですすむ。きのうの雨は午前中だけで路面は乾いていそう。うってかわり夜半すぎの雨ならば明け方の凍結が心配。
山の上のあたり
山際の海岸線をすすむ。ちょっとした集落のある平らな土地のむこうには山々がつらなる。その山頂付近にはまだ先日の雪が白くのこる。運転している地上よりもあのあたりは400~500mほど高い。残雪から幾日も氷点下がつづいていそう。
やはり山上の気候はちがう。夏は避暑できてさわやかでホッとできるが、その分だけ冬はきびしい。
海の方は
逆に左手の海のほうはおだやか。風がなく波立たない。そろそろ日が昇る。あたりはなんともいいようのない色のグラデーション。はたして絵の具で描き分けできるだろうか。みるみる色合いが変わっていくので、適した色の絵の具を選択したと思ったらすでにべつの色に変化してしまいそう。
この時間帯を描こうとするのはなかなかむずかしい。おなじことは写真の撮影でもそう。何枚も撮りつづけてそのうちの1枚にようやく表現したい色がかろうじて一部に見えるぐらい。それとて肉眼で感じるほどではない。
となりの車列
けっこう広い道路をずっとすすむ。こんな早朝でも信号待ちがたびたび。停止線に沿っておとなりの車線の方が、前方の車のテールランプで赤く照らされている。もしかしたらちょうど明るくなりつつあるあの空の色もまじっているかもしれない。
こんなに反射光は赤いのかと思わずもう一度ちらりと見てしまった。みずからの車のライトの光がもはやそんなに見えないぐらいにあかるくなってきた。
おわりに
運転しているあいだの20分ほどで、暗藍色にはじまり、紫、そしてみるみる暖色系の赤みを増し、オレンジから黄色へうつろいでいく。ほぼ七色が出現。その彩りは頭上のさまざまな位置で同時にかわっていく。澄みわたりピンと冷たくはりつめたような空気がそんなふうに染めわけられ、つねに変化をつづけていく。
さあ、きょうもはじまる。
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