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今週のまなび:紙に出力する必要性がどれほどあるものかどうか判断するほどでもない


はじめに

 このところ大きく変化したこと。それにより不便を感じたり、わずらわしいと思ったりはない。ふしぎなものであんなに切らしたらたいへんと思っていた状況はいったい何だったのか。

いくつもあるがなかでも顕著なのはプリンターやコピー機を身のまわりでさがす機会がほぼないこと。20年前に学習サポートをしごとではじめた頃はプリンターを酷使し、1年間で2万枚ほど印字していたのが信じられない。

ひんぱんに印刷するので紙がすぐになくなり、A4 2500枚入りの箱を半年に5箱ほど仕入れていた。いまはまったくその気配すらない。年に十数枚ほどだろうか。これならばコンビニですまして構わない。

きょうはそんな話。

激変

 学習サポートをはじめたころは手づくりの教材を毎日のようにつくっていた。おもに5教科を中心にさまざまな本や辞典などをしらべては自分なりにまとめ直す。わかりやすいまとめや問題を朝から放課後にこどもたちが訪れる間際までつくり、ぎりぎりでプリンターで出力。

できたてほやほやの教材でその週にまなぶことがらを理解していく。学校での進捗ぐあいをみつつ対応した。ところがしばらくその作業をつづけていたがからだが悲鳴を上げた。朝起きて夕方までPCにむかうばかり。

市販品を

 手づくりには限界がある。地理などは地図もほしい。いつも概略図を描いてすましていた。理科などの実験器具を毎回手書きするのは至難のわざ。これだけで数時間を要した。なかなかはかどらずなんとかならないものか。学校にはあるのにこの学習サポートにないもの。そう、つかいやすい市販のテキスト・問題集。

市販品には家庭学習用のものがある。とはいえ学年がすすむにつれてじゅうぶんではない。ほしいところが手薄だし、多くは標準的な学力層にあわせてつくられている。

なによりそれぞれの児童・生徒の実力に見合うものがそろっていない。基本を充実させたい層にとって市販品でつかえるのは3割に満たない時すらある。かといって手づくりをつづけるのはむずかしい。

そのうちに

 やがて学習支援業向けのテキストをとりあつかう書店の存在を知る。高校受験にも対応でき、さまざまな学力に見合うテキストや問題集がとりそろえてある。まさにわたしにとっては救いの主。

ここで自作ではおぎなえないものを見つけだし、生徒の学力にあわせ人数分そろえた。そのぶん保護者の方々にご負担を願うことになったが、わたしは自作に要していた時間を、よりわかりやすく理解をすすめるほうに充てられるように。

かといってこういった品でも完璧ではない。それをおぎなうには各生徒ごとに複数準備するなり、理解の早い生徒にはやはり自作の問題でおぎなう。この時点で紙の消費は半分以下になった。

自作問題はのちの資産となり、当時のものを手を入れつつ今に至る。ただし紙への出力はせず。モニタの画面上でつかう。一部を無償でネット上に公開。これらはやはり市販品になく独自のもの。

紙の消費

 そして、今。ネット上には無料の学習サイトや動画があふれている。わたしのつくったものにかぎらず、多くの方々が公開してくださる。これらを紹介しつつ、自学自習にちかいかたちで市販テキストとともに各自のペースで学習をすすめる。これならばどこでもいつでも自分用のタブレットでおなじように学べる。

けっきょくのところいつでもどこでもスキマ時間で学べることはすごくいい。ある生徒などは列車の待ち時間に待合のベンチで宿題の一部やこうした学習をやっている。時間を有効に使える。

現在はリモートでのサポートがいまや半分を占める。リモートでつかうテキストは手もと用と生徒用におなじものを2さつ。かいつまんでいうと授業はあまりせずに各生徒のまなびのコンサルやサポートを文字どおりやっているような感じ。

さまざまに

 もはや紙へ出力して使うことはなくなったとはいえ、紙(本)のテキストや問題集のよいものはつかうし、ノートはやはり必要。手書きは早いし「手に覚えさせる」うえでもいまだに健在。

時代はさらに変わりつつある。タブレット画面上で理解がすすみそれらを身につけていければいい。そのメリット・デメリットは同業者のなかではさかんに話題になる。つかいこなすことも今流だし時代に即応している。持ち運びもそれ相応にできる。つかいたいときに引き出せ、そのあいだ紙はあまり介在しない。たまにノートやルーズリーフ。

おわりに

 反復学習のため印をノートやテキストにのこしつつ解いていく方法は捨てがたい。児童、生徒ごとにその形跡をすぐに確認できて、どのくらい理解がすすみつつあるのかを把握しやすい。同様のことはタブレット上の問題を生徒が解くようすや進捗ぐあいを教える側もチェックできる。

英単語などは各自の覚えにくいものをくりかえし呈示してくれるので、個々人で開いて解くたびにいつのまにか覚えられる。

こうして紙の出番がいよいよ少なくなった。昨年末に教室として借りていた場所を撤退。けっきょくつかわないままの紙やテキストを収納するためにこの場所を借りていたと気づく。

ここでA4用紙5束入りが3箱ほど残ったので、駐車場をお借りしていた向かいの保育園にいままでお世話になったお礼としていくつかの備品とともにさしあげた。

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