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ヴァン・ゴッホについてのメモ
近代絵画についての分析が少しでもできればと思います。
線について
ミレーの木版画「羊飼いの女」
たった一本の線でなんと多くのことができるものかと、ゴッホは讃嘆している。
ミレーの作品の線には、素直さと暖かさ、対象を浮かび上がらせるムーブメントが感じられる。
ゴッホの作品であるクラシナ・マリア・ホールニクをモデルにした「悲しみ」にあらわれた、緊張した、固い線とミレーの線とは、正反対のようにも思えるし、共通したものもあるように思える。
垂直に入ってくる線、否定の線、そのように「悲しみ」の線は受け取れる。「心の肌を逆撫でするような線」と圀府寺氏は表現している。
この線の契機となったのは、モデルとなったシーンとの出会いだと述べられている。
個性ある線が生まれるまでに、ぎこちないデッサンが繰り返されている、と指摘されるが、真似をしないことと、自分の線がまだ生まれていないこと、それに耐えることを「ぎこちない」というのだろう。
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