最初に身につけた技術が最強かもしれない説。
長年キャリアを積んできた"事務"に嫌気がさして『もう2度と事務職なんかやるか!』と心の中で啖呵切ったのが2013年。
『好きを仕事に!』という謎のキャッチコピーに翻弄され、好きなことを仕事にしようと思っていた2017年頃。
巡り巡って結局"事務"が一番自分に合っているんじゃないかと気づいた2021年。
なぜだ…なぜなんだ…。
ということを、最近よく考えていました。
周りの起業をしている人を見ていても、感じていたんです。
資格の必要な仕事をメインにして他に副業をしている人、提供メニューをコロコロ変える人の行動を見ていて
『この人、本業だけにした方が活躍できるんじゃないか?』
└副業を本業に上手く結びつけられてない。時間やお金の言い訳多め。
『最初に提供していたメニューの方がこれから絶対需要があるのになぁ』
└メニューをコロコロ変えがちで、変更したサービスの方が同業が多くて抜きんでるにはハードルが高い。宣言だけしっかりして、関連情報の発信をまったくしない。
と思うことが多かったんです。
結局、最初に身につけた技術(手にしたアイテム)が最強かも知れない説ってあるよな、と思いました。
さりげなくTwitterで呟いてみたら
”その説あると思う”
”起業するために資格を取ったとしても、過去を振り返ることの方が大事”
というコメントを頂いたので、それも踏まえてなぜ最初に身につけた技術(最初に手にしたアイテム)が最強かもしれないのかを考えてみたいと思います。
まずは自分を振り返る
なぜ、私は結局”事務”に戻ってしまったのか。
過去の過去を遡れば、10歳の時。
やりたいことはあったのですが、家の経済的理由で「高校までしかお金は出せない」と親に言われました。
「じゃあ、中卒で働こうか」とも思ったのですが(単純)、さすがに高卒の学歴がないとその先を生きていくのは大変だと10歳ながらに思ったので、とりあえず高校は商業科に行って就職に有利な状況を作ろうと決めたのです。(進学しないのに普通科に行く必要性がないと思いました)
1990年代後半は今ほど職種がある時代ではなかったのと、地元が田舎すぎて事務職以外の求人がないんじゃないかというくらいだったので(もちろんサービス業も多少はありましたよ)、必然的に”高校卒業したら事務職”というレールに乗ってしまっていたのです。
既定路線で高校卒業後は”事務職”に就きました。
事務職と言えど、官公庁の共済組合でしたので”経理”とか”一般事務”というような括りにどれもハマらず、営利を目的としない総合的な事務職を12年経験するわけです。比率で言えば”法律”に携わることが多かった様に思います。
『2度と事務職をやるか!』と啖呵切って(あ、心の中で)、30代の8割くらいはカフェやコンビニのサービス業をしました。
カフェは、自分が唯一興味を持てていた”珈琲”を扱うから、コンビニはレジ打ちの単純作業が好きだったのと収入の補助として働いていました。
途中、事務職に戻ったこともあります。
でも、働いてもやっぱり面白くなくて『事務職は嫌だ』とまたサービス業に戻るのです。
再び、サービス業に戻って働いているときのこと。
すごくイライラして働いている自分がいることに気づきました。やりたい仕事をしているハズなのに、すごいイライラしているんです。
このイライラの要因、自分なりに分析していました。
分析した結果『これはサービス業をしない方がいいな』と気づけたので、再び事務職へ戻る決心をしました。
結局、事務が適職である。
2020年に事務職へ戻る決意をして今の職場に出逢った訳ですが、私のサービス業は辞めた方が良いという分析は合っていました。
職場はIT系の企業で、事務職と言っても今までの経験はほぼ活かせないデータ入力の仕事。活かせないと言いつつ、作業内容の大半はパソコンが扱えれば誰でも出来るような軽作業ではありました。
ただ、データ集計の作業がスタートすると20年以上Excelを扱っていた自分のExcelレベルが初心者だということを思い知らされます。
20代中盤の若い管理者の元で仕事をしていたので「キミたちが赤ちゃんのときからExcelを扱ってきたのに!」という悔しさも相まって(笑)、調べて調べてExcelのレベルを上げました。そして、気づいたら20万件近いデータの精査や集計が迅速に出来るようになり、職場の環境が良かったというのもありますが、データ入力・データ集計という仕事が私にとって適職だということに気づくことが出来ました。
ここで、私が『サービス業に向かない理由』と『事務職が適職な理由』が結び付きます。
私、自分のペースで自分の思うままに自分の裁量で仕事をするのが好きで、グッと何かに集中した時、誰にも邪魔されたくないんですね。
また、自分の作業エリアや依頼された作業はキッチリきれいに整えておきたい。
サービス業は、お客様主体になりますよね。何か作業をしていても、お客様がいらしたら中断してそちらを優先しないとならない。また、複数人が交代で作業をするので、作業エリアを自分好みにしておくことが不可能。
事務職は、締め切りはあれど自分のペースで自分の思うままに自分の裁量で作業に取り掛かれてグッと集中して作業することも出来るので、達成感を感じるのが本当に多い。
良い意味で職人気質な私には、事務職が適職なんだと気づいたのでした。
今でも、カフェの仕事がしたいと思うことがあります。いや、カフェの仕事はしたいです。でも、黙々とラテや珈琲だけを入れていていいのなら、という条件付き(笑)
例えば、お弁当の製造ラインでご飯に梅干を乗せていくだけの作業みたいな製造ラインだったら事務職以外の仕事は出来るかも知れませんが、その仕事や作業に集中できないような業種の仕事はもう向かないだろうと思っています。
そして、事務は天職じゃない。私の適職なのである。(ここ大事)
事務以外の仕事が出来ない訳じゃないし、10歳のときに思ったこと、将来見据えて商業科に進んだこと、自分の性格や感覚などを総合的に考えた結果、結局最初に(高校の時点で)身につけた『事務の基本』が私にとって最強ツールなんだと思いました。
起業するために取った資格を活かせない人たち
私もキラキラ起業の端くれだったので、起業をするために資格を取ろうと何度も思ったし、実際に取った資格もあります。
まだ『事務なんて2度とやるか!』と啖呵切ってる最中だったので、起業する上で当時人気のツールの資格を取って、それを活用して起業することがベストだと思い込んでいました。
実際『好きを仕事に!』が謎にブームがだったので、新しい・人気のツールの資格さえ取れば起業して人気者になれると勘違いしていた人もいることでしょう。(実際私も思った時期有)
私、ある日冷静に思ったんです。
『履歴書に書けない資格を取って意味あるんだろうか』
※個人の意見です。
そもそも、起業するために資格取るって目線がお客様じゃなかったんですよね。本来は、”この素敵なツールを広めたい!”とか”お客様の「困った!」をサポートしたい!”と思いが根本にあって起業をするものだと思うんです。
”起業をする”というそもそもの論点を間違っていたと気づいたので、とりあえずは起業をするための民間資格は取らないでおこうと思いました。
その後、事務を再開してからは事務に結び付く”行政書士””税理士””会計士””司法書士””社会保険労務士”のいずれかは必要だろうと思っています。これはやはり”自分の適職に繋がり誰かの悩みを解消できる資格だから”ですね。私にとって起業するのにプラスになる資格だと思っています。
補足しておきたいのは、起業するために民間資格を取るのが悪いとは思っていないということ。私はそれをしないと決めただけの話です。
実際にその資格でたくさん活躍されている方もいますからね。
そういう方々を分析してみると、そのツールが運よく”天職”や”適職”だったり、元々本業だった職種と上手く結びつけているケースが多いように感じました。
そのツールが運よく”天職”や”適職”だったという人は、過去を振り返ってみたら”学生時代にそのツールの基礎を学んでいた”とか”人生救われるほどの経験をした”というケースもあり、やはり「最初に身につけた技術」に結び付いているんですね。出逢うべきものにしっかり出逢えた、という様な感じでしょうか。
本業の職種と上手く結びつけているケースも、「本業に活かせそうだから」とそのツールの資格を取っている人が多い印象です。
逆に、起業をするために資格を取って活かせていない人たちの共通点はなんなのでしょうか。個人的には『稼ぐためのツール』として資格を取っている人が多いのではないかと思いました。
せっかく良いツールがあって、それに困っている人を助けるために使えるのに『起業するには良いツール』『みんなが取ってるし』『最近なんかよく目にするし』みたいな感覚で資格を取っているのではないか?と思うんですね。そうして、そのツールをメインにして起業が出来なかったり、長続きしなかったり、やっぱり私には向かない!と資格をとっかえひっかえしたり。
資格を取れば誰でも簡単に集客できる時代ではないですからね。
起業をするために資格を取るなら、過去を振り返ってみる
ここで、記事の冒頭に書いた「起業するために資格を取るなら過去を振り返ることの方が大事」について考えてみたいと思います。
この記事を書くのに、ここの解釈が本当に難しかったです。コメントを下さった方へ直接聞いた方がいいんじゃないかと思ったんですが、自分なりの解釈と分析をしたいと思い、考えに考えて答えが中々結びつかずにいました。
そして、私が考えて結びついた結果がこちらです。
起業をするために取りたいと思っている資格(取った資格)は、自分の過去を振り返ったときに自分の人生を変えてくれるほど”自分の困った”をサポートしてくれたツールですか?
”人生変えてもらった!”くらいの心の奥底から湧き出る様な感情を持った経験がないと、その資格を取ったところで他人の”困った”を助けられないかも知れませんね。
そのサービスに申込をしてくる人は藁にも縋る想いであなたを頼って来るケースがほとんどでしょう。本当に必要だと感じた人しかサービスには申し込まないですからね。
自分がこのツールにどれだけ救われたのか、このツールがどれだけ良いものかということを、テキストに書いてある言葉だけでなくあなた自身の言葉でプレゼンが出来ない様では、お客様自身に響かないと思います。
そして、そういう資格を活かした仕事の最前線にいる方は、ご自身でこういう感情を抱いた経験が多いように思います。
だからこそ、困っているお客様の心に響くのでしょう。
私自身、起業するために取った資格と言えば「着付け師範」と「カラーセラピスト」ですが、過去を振り返ったり仕事に結び付けられるかを考えたときにこういう結論が出ました。
●着付師●
そもそも親族(いとこ世代)で1人着付け出来る人がいた方がこの先良いだろうという理由で習い始めたので、師範になりたいんじゃなかったんだ。
着付の技術で取れた免状ではないので、この肩書を出しての起業は気が引ける。(浴衣の着付けくらいなら教えられるけど)
●カラーセラピスト●
色の意味を知れたのは面白かったし、自分の気持ちを整理出来て良かったけど人生変えてもらうほど困ったことを解消して貰ったわけじゃない。
こんな感情で起業したところで、お客様は誰もこの人からサービスを受けたいだなんて思わないですよね(笑)
カラーセラピストは、「事務の資料作りに活かせる色の組み合わせ方」みたいなサービスが出来るとも考えましたが、”カラー”を仕事にすることが私にストンと落ちなかったので構想につく前に辞めました。
また、記事の中盤で事務に関連した資格を取るなら”行政書士””税理士””会計士””司法書士””社会保険労務士”のいずれかと書きましたが、これらは過去を振り返れば
・面倒なお役所関連の手続きを代行できる
(過去の仕事でお役所系の仕事は経験済み)
・書類の作成が苦ではない。むしろ好き。
・キレイな字で書類を作成できる
(お役所の書類は基本7年保存と考えるとキレイに残したい。今はPCメインだろうけど)
私の強みを活かしながら、お客様の困ったを解消できる資格ですよね。
このように、ただ起業するために資格を取るのではなく過去を振り返った時に”自分の困った”を解決してくれたツールなのか、”誰かの困った”を解消できるツールなのかをまず考えた方がいいのだと思いました。
強みを仕事にする人もいれば、好きなことに出逢ってそれを仕事にする人もいます。両方とも言えることは、その先に「困っている誰か」がいてその「困った」を解消するということ。それが仕事なんだということを頭の片隅に置いておかなければなりませんね。
ただ稼げそうだからとか、流行っているからという理由だけで資格を取ろうとするのは、ただの資格ジプシー。
色んな経験を積んだり、関連する資格を取るのはとても良いことではありますが、資格を取っただけでは仕事にはなりません。ご活躍されている方のほとんどは見えないところでのたゆまなぬ努力があってこその見えている結果です。
どうして起業をしたいのか、どうしてその資格が必要なのかという点で、過去と向き合う必要があるのだと思います。
まとめ
資格を取っただけでは、起業は出来ません。
起業するために資格を取っても、サービスを提供し続けるのは非常に難しいですからね。
私は、自分に合っていることが何かを模索するために色んなことにチャレンジするのは非常に良いことだと思っています。ただ、たくさんのチャレンジをしてきて、元々持っている優れたスキルを手放してまで別のツールに移行したい理由はなんなのかを考える必要はあるのかな?と感じました。
そのツールに出逢うタイミングの早い・遅いは必ずありますので、もし出会うタイミングが要因だったとしたら無条件で新たに出会ったツールにのめり込めると思うんです。
元々持っているスキルを手放してまでそのツールにのめり込めないということは、あなたが発揮すべきチカラがそこにはないのかも知れません。また、そのツールでなかなか飛躍出来ないのに、そのツールがいいと思い込んでいる人もきっといることでしょう。
そんな人は「資格を取るのにお金をかけたから」とか「支出した分以上の金額を回収したい」という思いがどこか奥底にあるのではないでしょうか。
そこに執着し続けても、あなたにとってプラスにはならないと私は思います。それでも執着し続けるのか、見切りをつけて次に行くのか、原点に戻るのかの判断は必要になるでしょう。資格をとるために費やした費用は、自分がそれに合わなかったことを気づかせてくれた勉強代かもしれませんしね。
それでもその新たなツールを捨てられないのなら、元々持っているスキルと併せて活かす方法を考えるのもありでしょう。相乗効果で唯一無二のさらに強いあなたのスキルになるかもしれません。
私自身、色んなことにチャレンジしてきました。
最終的には、最初に身につけたスキルが自分を最大限に活かせると思ったので事務に戻りましたが、今まで経験したことで無駄なことはありません。業種が違っても身につけたスキルや知識が思わぬところで発揮できているからです。逆に自分のチカラを発揮できないのに執着し続ける時間の方が勿体ないと思います。
最初に身につけた技術を捨てきれずに、中途半端に別のツールを試そうとしている人。
せっかく活躍できるであろう素晴らしいスキルを持っているのに、コロコロと提供メニューを変えてしまう人。
是非とも1度、最初に身につけた技術を見返してみてほしいなと思います。それを1本でやった方が自分が最大限のパフォーマンスを出せるのか。新たなツールのスキルと共に相乗効果で活かした方が最大限のパフォーマンスを出せるのか。最善の答えが隠れているのではないかと、私は思います。
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余談ですが、もっと壮大なスケールで言うと星読みや数秘術などの様々な発信を見ていて生まれた使命というのも少なからず関係しているのだろうと思っています。何をしたいのか悩んでいるなら、そういう視点で自分に合った職業・資格は何かを考えてみるのも1つの手段かも知れませんね。
この記事を書きながら、目に入ったこちらのブログ。
自分のを調べて笑っちゃいました。
『職人』
まさしく!!(笑)
何をしたいのかわからないとか、何か活動してみたいと感じている人はこういうツールで自分を知りながら、慌てずに自分に合ったものに出逢うのも1つの手段としては良さそうですね。