2022夢日記 小さな犯罪者 ji-jyo 1月15日
昨日の夢は何だか不思議で不気味でもあるような展開だった。
始まりは少し緩やかな上り坂で新しく出来たばかりの道路を車で走ってるところからだった。
新しい道は少しの振動も感じることなく快適な走りごちだった。車道の脇にもまだ数店舗の店と少しの住居があるだけでなんだか新鮮だ。
昼過ぎだと言うのに周りに車はほとんどなくまるで自分専用の道を走っているのかと思えるような錯覚にすら陥りそうだ。しばらく気分よく走っているとバックミラーに何やら違和感を感じた。
視線をミラーに向けるとそこには回転灯を光らせ裏に迫りくるパトカーが映っている。後方に近づくと、
『前の車、左に寄って止まりなさい。』
そんな声で呼び止められた。何でだ? 僕は何かしたのか? いいや、これと言って何一つ違反はしていないはずだ。とは言っても止まれと言うのだからここは一つ止まるしかない。
車を停めるとさっそく警官がパトカーから降りてきて運転席の脇に歩み寄ってきた。腰には拳銃を所持しているようで何故か大量のお守りのようなものがぶら下がっている。
『お兄さんどうしてここの道走ってるの?』
『どうしてって…。新しく出来た道だから試しに走ってただけで特に用事があるわけじゃないですよ。ところで僕は何で止められたのですか?』
『いえね、ここ他に車走ってないでしょ。最近この道で不可解な事件が多発しているんですよ。男子学生ばかりがさらわれたり危害を受けたりするね。そこにあなたが車で走ってるもんだから声をかけさせてもらったわけです。』
『そうなんですね。知りませんでした。』
そんな会話をしていると止まっている僕らの脇を猛スピードで走り去る1台の車が現れた。
『何だ!? あれは! じゃあお兄さんそういことだから! この道はあんまり使わないほうがいいですよ。では!』
そう言い残し警官はパトカーに乗り込み暴走車を追いかけて行った。
そんな事件が多発している場所だったのか。せっかく快適なドライブだと思っていたのに残念だ。でも仕方ないか。ちょっとは楽しめたしこの先の分離帯でUターンしてもう家に帰ろう。
なんだかスッキリしない気持ちの中、相変わらず綺麗な道をUターンすると反対側の車道の脇に古びたトタン屋根の平屋が目に入った。
ここは周りの建物と違ってずいびん古い建物なんだな。何か一つだけ浮いているような感じで激しい違和感を感じる。それにどう見ても今は誰も使っていない廃墟のようだ。ちょっと気になるな。少し覗いてみよう。
廃墟の前に車を停め壊れて半開きのドアから中に進入する。中はやけに暗いが天井に開いた穴から差し込む光で何とか見渡せる状態だった。
まあ廃墟だし何もないよなと思っていると部屋の隅で何かが動いている音が聞こえた。ビクッとしたが光が届かない部屋の隅に目を凝らすと、そこには黒い学生服をきた男子学生が体育座りで震えていた。
『き、君。大丈夫?』
驚きながら声を掛けてみると完全に怯え切った目でこちらを見つめ口をパクパクと動かしている。何か伝えたいようだがどうやらうまく声が出せないようだ。
『声が出ないんだね。わかったわかった。とりあえずさ、ここから出ようか。』
学生の腕を掴み立たせようとすると大きく首を振り、しきりに奥の部屋のドアを見つめている。出たくないのか? それにあの奥の部屋。何かあるのだろうか。
何だか気味の悪い状態ではあるが、あんな行動をされたら奥に何があるのか気になってしまう。ここは…。覗いてみるしかないだろう。
ふすまのような引き戸をゆっくり開けて中を覗く。真っ暗で何も見えない。スマホを取り出しライトで部屋を照らした。そこにはあまりにも小さい布団に少女が横たわっていた。
どうしてこんなところに幼い少女がいるんだ? それに布団で寝かされているなんて。顔にライトを当てるとやけに青白い。まさか死んでいるのか?
とにかく良くわからな過ぎるこの状況はどうしよもない。一度外に出て警察に電話しよう。そう言えばさっき警官が男子学生がさらわれる事件がどうのこうのって言ってたがまさか何か関連があるのか?
スマホの画面を見ながら外に出ようとしたときすごい勢いで誰かが中に向かって入ってくる。
『どけぇー!! 伏せろ!!』
は!? 何だ何だいきなり! あれ? よく見るとさっきの警官じゃないか。銃を構えているけどそこには大量のお守りもついたままだ。なんで拳銃にお守りなんか…。
どけって僕の後ろに何かいるのか? ここには男子学生と奥に死んでいるかもしれない少女くらいしか…。
恐る恐る後ろを振り返るとそこには目を瞑ったまま微笑むさっきの少女が立っているところを見て目が覚めた。
まさか全ての事件はあの生きてるか死んでるかわからない少女が原因だったのだろうか。それにあの大量のお守り…。
何だか気持ちの悪い夢だったな。事件ていうか心霊っていうか。
さて、明日も夢日記を書いていこう。