2021夢日記 奇妙な床屋 ji-jyo 12月31日
僕は今年に入ってから毎日、夢日記を書いている。過去のものは月別にマガジンを作成してあります。
昨日の夢は気味の悪い床屋でおかしな雰囲気に包まれるような展開だった。
始まりは商店街の外れにある小さな床屋で髪を切ってもらっているところからだった。
普段は床屋なんて行かないはずだが今日はどうしても急いでいたのか、来たこともない床屋で何故か髪を切っている。
自分がどんなオーダーをしたのか全く分からないが、だいぶ伸びてしまった髪を床屋の主人はちょっと切りすぎではないかと思うほど豪快な勢いでカットしていく。その様子を見てやっぱりちゃんと美容室に行けば良かったかな後悔するほどだった。
このままでは幼い頃はよくやっていたスポーツ刈りになり兼ねないとは思ったがもはや後の祭りだ。観念して鏡から目を逸らすと壁に綺麗に飾られた額縁がある。
額縁の中には絵などが飾ってあるわけではなく、古くて錆びてしまった理容師の人が使うハサミが入っていた。
『ご主人。あのハサミは…?』
『ああ。あれは。数年前この裏の林で娘が殺されましてね。その時に使われたハサミです。娘のことを忘れないために毎日見えるところに飾ってあるんです。』
ポマードでガチガチに固まった頭の主人がそんなことを言いだした。
『ははは。また御冗談を…。』
『……。』
僕の愛想笑いに無反応の主人。これは…。マジなやつなのか?
でもそもそも仮にその話が本当だったとして凶器に使われたハサミを持っていることなんて出来るのか? そういうのは警察が持って行ってしまうのではないだろうか。でもなんかこれ以上踏み込んで聞くのは微妙な雰囲気だよな。
何となく気まずい雰囲気が続く中僕のスポーツ刈りは見事に完成した。
やっぱりか。はいはい。スポーツ刈りね。きっと僕がオーダーしたのでしょう。出来上がりには不本意な思いでいっぱいだったが髪はどうせ伸びるしね。
散髪代を払い終え店を出ると、店の前にグローブを持った少年が立っていた。しばらくすると僕の後に続いて店の主人も外に出てくる。
『じいちゃんキャッチボールしようよ。』
『おおいいぞ。ただし今日もじいちゃんとママの遺体を探しに行ってからだ。ほら早く林の中に行こう。』
『うん!』
え? 何を言ってるんだ? 遺体を探すだって? 数年前に亡くなった娘さん。遺体がなかったってことか? 何だか闇が深すぎる。しかもママって。
『それじゃあお客さんありがとうございました。またお持ちしてます。』
ポマード主人の不気味にも思えるお礼を聞いたところで今日は目が覚めた。
何だか不気味な夢だった。もしかして殺したのはあのポマード主人じゃ…。
なんてことを思ったけどこれは夢の中のお話しだ。
さて、明日も夢日記を書いていこう。
【2021 11月夢日記 ~ji-jyo~】