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2021夢日記 沈まない水草 ji-jyo 7月24日
僕は今年に入ってから毎日、夢日記を書いている。過去のものは月別にマガジンを作成してあります。
昨日は不思議な展開と有名な教師の登場する夢だった。
始まりはのどかでとても綺麗な田舎に訪れているところからだった。
僕はそこの山にいるヤマネコを見に行くことが目的だった。
目指している山に行くには橋のない川を渡る必要がある。とは言っても深さは足首程度しかなく、流れはとても穏やかなので渡るには苦労することはないようだ。
空は真っ青に晴れ渡り、強い日差しが照り付ける中、すごく澄んだ水が流れる川を渡るのはとても気持ちが良かった。
無事に川を渡り終え目的の山へたどり着く。整備された道などはなく、ところどころに細い獣道を見つけながら麓の森に入って行った。
それからしばらく歩き回ったが、なかなかお目当てのヤマネコは姿を現さない。そもそも夜行性のような気もするし、こんなに太陽が照り付けるような時間帯に、その辺にいるわけはないのかもしれないと今頃になって気付く。それでもせっかく来たのだし、もう少しだけ探索を続けようと息を切らし歩いていると、前方から見覚えのある人物がこちらに向かって歩いてきた。
『あー、あなたね。これから天気が崩れて雷雨になる。山は危険です。急いで戻りましょう。激しい雨になれば川の水位もあがって渡れなくなります。』
そう助言をくれたのは、なんと金八先生だった。
『そうなんですか。では残念ですが戻ります。』
一目でもヤマネコは見てみたかったものの、さっきからこの時間帯にはいないような気もしていたし、内心、諦めかけていた僕にとっては引き返すにはちょうどいい理由になった。
歩いてきた道を戻り始めると、ぽつりぽつりと雨粒が落ちてきた。
『まずいですね。これは本格的に降り始めるでしょう。急いだほうがいい。あなたはまだお若い。先に行きなさい。今ならまだ川を渡れるでしょう。』
それまで一緒に歩いてきた金八先生は、ぜえぜえと息を切らしながらそう言った。
『でも、先生は大丈夫ですか?』
『私はこの土地に慣れています。このまま自分のペースで進みますのでお気になさらずに。』
その言葉に僕は歩みを早め急いで戻ることにした。しかし少し遅かったようだ。森を抜けると雨脚は激しく強まり稲妻も時折光っている。間に合うかわからないがとにかく川に向かってみよう。
びしょ濡れになりながらも川のそばまでたどり着くと、そこは来た時とはまるで違う光景が広がっていた。あんなに穏やかだった川の流れは信じられないほど激しくなり、水位は目視しただけでも腰の位置くらいはありそうだ。これではとても渡れそうにない。どこか雨宿りできそうな場所でも探そうか。でも軽く見渡す限りそう簡単にはそんな場所はなさそうだ。
相変わらず土砂降りの中に立ち尽くしていると、遅れて後ろから金八先生がやってきた。
『こっちです。こっちに橋の代わりになる水草があります。そこを渡って戻りますよ。ついて来てください。』
険しい顔で案内してくれる金八先生について行くと激しい川の流れの中でも、しっかりと生えている水草の塊が見えてきた。けれど、そうは言っても水草だ。人が乗れば重みで沈んでしまうのは乗る前からでも分かった。
『あの。これに乗って渡るんですか? どう考えても沈んでしまいませんか?』
『大丈夫です。ある一定のラインだけまるでコンクリートのように丈夫なポイントがあります。私だけが知りえるこの川の秘密です。いいですか? 私の後ろを、絶対に私の後ろだけを確実について来てください。』
そう言って金八先生は水草の上に飛び乗り、激しく流れる川の中を歩き出した。
本当に沈まないんだ。そんな不思議な光景を目の当たりにしたあたりで今日は目が覚めた。
金八先生は、やっぱり偉大なんだなと思う朝だった。
さて、明日も夢日記を書いていこう。
【2021 6月夢日記 ~ji-jyo~】
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