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女子会で、話してはいけないことってある?



久しぶりに大学のサークル仲間と会った。

私はもう都内からは離れているので、
都内にみんなで集まるには片道3時間かかる。

交通費も往復で、1万円弱。
そして飲食代。
私が今、友達に会うには
とてもコストと時間がかかる。

だけど会う。


私にとって、
思い出話で大爆笑できる時間は
本当に宝物のような
貴重な時間だからだ。

今回は女5人で昼から居酒屋に行った。
結局6時間喋り倒して、
各々の家に散って行った。


既婚者と独身が入り混じる5人。
そして既婚者の中でも
子持ち子なし。
独身でも、
彼氏がいるいない。
全部が混ざり合う5人だ。


私は移動時間と同じ時間だけ都内にいた。

飲みすぎてぼーっとした頭で
なんだか寂しい気持ちを覚えながら、
静かに特急に乗り、深夜に帰宅した。
駅には夫が車で迎えにきてくれた。


ーーー



居酒屋で盛り上がっている最中、
私はこんな話をしてしまった。
最近感じている、やるせない思いだ。


「12月の給料から
税金はしっかり払っているのに、
ボーナスでもガッツリ税金を引かれるのが
悲しくなる。2重払いだ!」と。


すると1人が言った。


「うちは、障がい児だから、
知的もあるし、肢体不自由もあるし、
毎月5万くらい貰ってんだよね、
最近はもらえる額も上がって8万だよ。
入院も多いし、
正直助かってるんだよね〜
だから我が家は文句言えない。
みんな、あざっす!」

あ、そっか。


私はすかさず、
「私もそういえば、転職した時、
再就職手当で30万くらい貰ったわ。」


すると独身のメンバーが、
 「みんな!支え合って生きてこ!」
と笑った。


うん。
なんとかうまくまとまったのでは?
と、少しホッとした。


すると、
「でもじじのところは、
転勤もあって旦那さん稼ぎいいんじゃない?
お金に困らないんじゃない?」と
話が始まった。


なぜか私はまた、

「まあ、お金には困らないけど、
孤独だし、、
稼げば稼いだ分だけ、
税金は引かれるんだよ。」

独身の子が
「マジでそう。
基本給上がった〜!と思ったら
その分税金引かれて、
よくわかんなくなるよ。」

懲りずに税金の話をしてしまったのだ。



「健康に一生懸命働いている人が
直接受けられる恩恵ってなんだろうね。」


ここまで話が進んでやっと

「う〜ん。」


とみんなが唸り出した。

そして多分、
自然と違う話になっていった。


私は、障がい児を育てるあの子が
「うちは文句言えないんだよね〜」と
明るく、快活に話をしてくれたことに対して、
「あ、やべ。」と
反射的に思ってしまった。


昔は何も考えずに
好きなこと、くだらないこと
自由に話していたけど、
大人になって
ライフステージが違うと
「話すネタ」も
ちゃんと吟味しないといけないのかと。



だけど私は
一瞬で考え直した。

そんなことを言ってたら
ほぼ何も話せなくないか?


久々に会って、
お互いの話をして、
みんなのことを知りたい
みんなどうやって生きてるかな
元気かな。
もしかしたら誰かの経験が
誰かの役に立つかも知れない。


そういう思いで集まってるのに
当たり障りない会話をしていていいのか?と。

「大人になると友達が変わる。」
「話が合わなくなる。」
そういうことをよく聞くようになった。
今回5人でいろんな話をした上で、
「あ〜大人になるってこういうことか。」
と少し寂しくなった。



だけど、私たちは
気まづくはならなかった。
「月8万貰ってるんだよね〜」と
いう人がいて
「でも2重払いはやるせないんだ」
という人がいて
「とにかく、
社会人は支えあってこ!」 
っていう人がいて
また懲りずに税金の話をする人がいて

それぞれが真っ直ぐに
自分の役割や思いを
素直に言葉にできていた。


私は少し反省してしまいながらも
改めて、この仲間たちの
素直さ、正直さに惚れた。


そうそう、
私たちって
学生の頃からそうだった。


誰かのダンスが「うまい!」と
褒め称えたり
「いやそれは下手くそ!」と
笑いながら言い合える関係だった。


嬉しい。
大人になっても
誰かに無理に気を使うことなく、
話ができる関係。


話すことをいちいち選んでいたら、
その人のことを知れない。

なんのために会ってるんだよ。


誰かの話を聞いて
自分の話をして
誰かに共感してもらって
救われたり
自分が誰かの支えになったり。

そういうために、
私は友達に会いたいと思う。


話す会話を選んで
探り当てるようでは、
友達は続かない。


結婚して4年目。
子なしの私はきっと
「子どもの話をしてはいけない人」
だと思われている可能性がある。

いや、絶対そう。
みんな優しいから。


でも私は
「じじ、子どものこと考えたりする?」
って友達にふと聞かれると嬉しい。


あー、この人は、
私のこと知ろうとしてくれてるし
受け止める覚悟もある人なんだって。


まあ、ほとんどの人は
大人のマナーで
そんなことは聞かないけど。


でも私は
「子どもなかなかできないんだよね」と
言いたい。


今回の5人の会でも
サラッと
「じじ、子どもは?」と
聞いてくれた子がいた。

「ほしいけど、なかなかできないんだよね」
というと、
「そっか、まあ授かりもんだもんね」


とさらっと受け止めてくれた。

嬉しかった。


「やべ。変なこと聞いちゃったかな。」
とか
「言わないほうが良かったかな。」
とか

そういうのって
大人になればなるほど、
仲のいい友達の間には
いらないのかも知れない。


そんなふうに思った1日だった。


違うかな。



でも私は
「子どもは?」って聞かれて嬉しかったよ。



その言葉に、
余計な心配や
変な疑念を感じなかったから。


ただ素直に、
私のことを知ろうとしてくれる
その気持ちを感じ取ったから。



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