優勝に向けて、ここまでの振り返り
緊迫した先発同士の投げ合いで先に先制点をスリーランでガッツリ取られ、岡本の反撃のホームランをアロザレーナにミラクルキャッチされ、得点圏に3度?凡退で0進行が続く。
何千試合とプロ野球の試合運びを見てきた中、こんな負け要素しかない試合でサヨナラ勝ちできたことは過去にほとんど記憶がない。どんな野球無知な人が見ても熱くなれたのは試合内容が物語っており、とんでもない締めくくりだった。
誰が今大会のブレーキになってるかは一目瞭然で、しかしながら村上のことばっかり話題になるのは野球の不思議な特性である。
やきうに限らずスポーツは結局確率の話であるが、人の心を動かすのはハートの部分であることが証明された試合だった。感動の前に数字は無力になる。
その上で栗山が他の監督と異なるゆえんは、「選手を信じる」の信じるの色がとんでもなく濃すぎて突き抜けすぎているところだ。もはや誰に監督をやらせても、その点で栗山に勝てる人材はいない。選手を信じることに関して重すぎて、でないと今日みたいな結果にはならない。結果が栗山の異常さを証明した試合でもあった。これは、10年も同じチームで監督を続けてないと到達できない域である。改めてイカれてる。
今日の準決勝のコマの使い方で確信したのは、決勝もほぼ同じ戦法でしか野手は使わないことだ。骨折がどうとか関係なく源田は最後までグラウンドに立たせるし、中村<甲斐だし、村上の打順は6番より下に絶対下げないし、周東は同点ではなく逆転のランナーとしてしか使わない。
本日のファインプレーは、牧に変えて山田をスタメンで使ったことだ。99%明日も山田がスタメンであろう。そしてそれを結果で納得させるのが素晴らしい。明日、痺れる打点を上げるのは大谷、吉田、村上だけでなく、山田哲人になるはずだ。確信に近いものがある。
一つだけお願いしたいのは、今日の逆、つまり甲斐をスタメンキャッチャーで使っても早々にチャンスで代打を出して、後半は中村で繋ぎ大城の出番を封じて最後まで座らせてほしい。そうなっていると、日本が優勝しているはず。牧原、大城が最後までベンチを温めていたら、そのときにはきっと日本がアメリカを負かしている。
大谷が唯一無二とはいえ、野手としてだけで評価されるなら今大会のMVPは間違いなく吉田正尚。これはやきう民満場一致の見解で間違いない。こんな成績を国際大会で決勝まで続けられるのは彼を置いて他にいない。打点は言わずもがな、三振と併殺が0、そして死球が4もあることが彼の打者としての異端さを物語っている。今日の同点スリーランも決して奇跡ではなく、あのインコースをファールにせず技術でマイアミのスタンドに持っていけるのは大谷と吉田以外にいない。それくらい突出している。ヌートバーも近藤も中軸に繋ぐ1・2番として予選ラウンドで大暴れしていたが、決勝ラウンドでもこの結果を残せるあたり吉田のメジャー1年目は期待が持てる。
アメリカは先発に不安があるにせよ、今大会のリリーフは盤石で、先発からいかに得点を取れるか。それと同じくらい、いかにアメリカの鬼畜打線を抑えられるか。日本の最強投手陣にかかるプレッシャーは半端ではない。日本との違いは、捕手、遊撃手のOPSが大谷、吉田なことで、これが非常に頭が痛い。
アレナド、トラウト、ゴールドシュミットらは当然のように1を超える結果を残しているため、下位打線にいる大谷をどうやって黙らせられるかにかかっている。辞退者が何人いようがこのメンツになるのが本場アメリカのチートなところで、これに勝って優勝できたとなると過去1番重みのある金メダルになることは間違いない。
明日の先発は今永。戸郷、高橋、宮城あたりが第二先発と予想されるがとにかく序盤を3点以下で抑え、リリーフ総動員、そしてダル大谷あたりにドラマを締めくくってほしい。
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