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「夜明け前の闇」の中で生き続ける学生運動「美化」の正体を辿る!
学生運動に対する拗れた感想がTLに溢れていたようだが、世界各地では普通に皆学生運動をやり続けている。どうして学生運動を一度も経験せずに拗れた感情にまみれる人がこれだけ増えたのかを考察した方が、より己と日本社会を知ることにつながると思う。
— おきさやか(Sayaka OKI) (@okisayaka) September 14, 2022
60-70年代の学生運動の高揚の理由を「実家が太い」と解した人がいたみたいですけど、これはいかにも「現代風」な解釈だなと感服しました。若い人には想像がつかないと思いますが、あの時代の日本はすごくリッチだったんです。学生運動の財政的基盤は「学生が金を持っていた」ことです。
— 内田樹 (@levinassien) September 12, 2022
「学生運動」の話題がとてもホットです。左派論陣が「学生運動」を美化しているとの指摘があります。これは単に「造反有理」という考えが根底にあり、反抗する者は美しいというものでしょう。もっとも内田氏やおき氏が自分自身に「反抗」が向けられた時に「誹謗中傷」「言論弾圧」などと片付けるでしょうが。
ここで言うところの「学生運動」とは第二次安保闘争、いわゆる70年安保のことだと思われます。70年代安保は一種のファッショ性もあって、下の世代にも支持、信奉されるのはこの「ファッション」に由来していると思います。
まあそれにしても、デモの高齢者を見ていると岡林信康じゃないけども、古稀過ぎても「夜明け前の闇の中」で生きているんですか?
学生運動の爽やかなリーダーのお兄さん
今回の騒動で私が長年、気になったことがあってぜひご意見、体験談を頂戴したいです。こんな話を聞いたことはありませんか。
修学旅行でバスがバリケード封鎖中のデモ隊に遭遇。押し問答があったが好青年のリーダーが活動家をなだめ通してくれた。
修学旅行でバスがデモ隊に止められた。とても怖かったがリーダーの素敵なお兄さんが出てきてデモ隊を説得して助けれくれた。
デモ隊が通行の邪魔になったが、隊の爽やかな青年がデモ隊を指揮して通してくれた。子供たちにも優しく接しくれた
私、このエピソードを最初に聞いたのは中学の女性教諭からでした。その後、類似した話を3~4回ほど聞いたものです。共通点があります。
舞台は東京で修学旅行ないし子供の引率
デモ隊に遭遇
優しくてイケメンなリーダー格の機転
この3点が学生運動美化トークで確認できました。「助けてくれた」「優しくしてくれた」とおっしゃるけども…。
当たり前だっての。お前らに通行を妨げる権利はないってものです。この辺りは学生運動に対するシンパシーがゆえでしょう。
ステレオタイプな学生運動の闘士像
私、この話は眉唾、あるいは盛り話だったと考えています。まあせいぜい、あの時にご馳走になったトンカツの味は一生忘れません。ゴメンね実はあれ、赤いウィンナーを揚げたやつ…ぐらいの話。なにせ話が無理くりすぎて。
大学構内でバリケード封鎖ならば分かります。ですがそんな場所に修学旅行生が行く訳がない。道路をデモ隊が埋め尽くしたケースもありますが、それ以前に機動隊が一般車両は通行制限をしているはずで、まんまと修学旅行or遠足バスが通りがかるって不自然ですよ。
それでまた「デモ隊の優しいリーダー格のお兄さん」という点がいかにもなんです。その時代、人気絶頂のショーケンやジュリーをリーダー格のお兄さんに投影したかもしれませんよ。
伝え聞く風貌も郷秀樹風味で、お前ら『帰ってきたウルトラマン』見たなって感じでなんとも。
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私、93年に大学入学したんですけども当時はまだ学内に過激派活動家がいました。遠目に見ても「世捨て人」風で到底、爽やかさとは無縁です。それ以前に「なんで大学にオジサンがいるの?」という印象でした。何らかの思想に憑かれると人間は不思議なもので顔と目に表れます。爽やかであるはずがない。もちろん爽やか好青年もいますが、それは以下に続きます。
なぜリーダー格の兄貴がアイドル風味に?
ただ元の話は子供の引率とデモ隊の何らかの接点、エピソードがあったかもしれません。それが伝言ゲームのように伝わった可能性が高いです。ここで注目すべきはアイドル的なリーダー兄貴。
美化、幻想と思いきや実はこの「兄貴」の存在こそがこの眉唾話に一定程度、信憑性をもたらします。
90年代中頃、ちょうどオウム真理教が話題の頃でした。70年代安保闘争の世代の方にこのエピソードの真偽について聞いたことがあります。
同氏はリーダー兄貴の救出エピソードを知りませんでした。ただその分析は面白かったです。
「オウムもそうだけど公に出てくるのは上祐史浩のようなハンサム。学生運動も広報的、対外的な活動をするのは好青年風、スマートなタイプ。ただしリーダーではなくあくまでスポークスマン」
デモ隊のリーダー格の好青年兄貴は単に「渉外担当」ではなかったかとの分析です。
なるほど! 上祐さんも「上祐ギャル」という女性支持者が集まり、当時話題になりました。教団のスポークスマンとして当時、テレビなどメディアに出てくるのは上祐さん。広報役は爽やか好青年タイプというのは思想団体に共通するのでしょう。
そこで美化トークに戻ります。
一般人に危害を与えては民意が離れますから、デモ隊と一般人グループが何らかの接点があり、スポークスマン=兄貴が丸く収めた――
これが私が聞いた学生運動美化トークの真相だと思っています。
結局、現在のところ学生運動を美化して語るグループは、レアケースや「反抗する青年像」に心酔しているだけのことでしょう。
「我こそ世の善導者たる文化人」
という自負が高そうな面々ですが、どや顔で呟けば瞬く間に反発も起きる。そうしたフラストレーションを学生運動クロニカルで癒しているかもしれませんね。いかがでしょう、私の分析。
異議ナシ! ってことで。