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自立援助ホームにおける私的契約制度と暫定定員の仕組み

自立援助ホームでは、若者が必要な支援を受けやすくするための取り組みが行われており、その中でも「私的契約制度」と「暫定定員の仕組み」は、支援体制を柔軟に運営するための重要な役割を果たしています。今回は、これらの制度についてわかりやすく解説します。


1. 私的契約制度

私的契約制度とは、利用者(または保護者)と自立援助ホームが直接契約を結ぶ形態を指します。この制度により、児童相談所を介さずに入所することができ、緊急対応が必要な場合でも迅速な受け入れが可能です。また、措置入所の基準に該当しない若者でも必要に応じて支援を受けられるため、自己決定が尊重され、柔軟な支援が実現しやすくなります。

ただし、私的契約の入所者については、事務費(施設の運営費)の算定対象外となります。具体的には、私的契約入所者は定員から除外されるため、事務費の算定に含まれません。これは、公費の適正な使用を確保するためのルールとして設けられています。


2. 暫定定員の仕組み

自立援助ホームでは、入退所が頻繁に行われるため、より実態に即した定員設定を可能にする「暫定定員」という一時的な定員設定の仕組みが整備されています。これは、直近3年間の在籍者数に基づいて定員を一時的に設定し、実際の入所状況に対応するためのものです。

暫定定員の計算方法は、3年間の延べ在籍日数を基に平均在籍児童数を算出し、その結果に1.11を掛けることで最終的な暫定定員を決定します。また、この計算には私的契約入所者も含まれるため、より正確な定員の設定が可能です。ただし、事務費の算定においては、私的契約入所者は引き続き除外されます。


結論

私的契約制度と暫定定員の仕組みにより、自立援助ホームは多様な支援ニーズに対応しやすくなり、実際の入所状況を反映した運営が可能になります。これにより、様々な事情で自立に困難を抱える若者に対し、より適切な支援を提供することが期待されています。


次回の記事へ

今回の記事では、私的契約制度と暫定定員の仕組みについてその概要をお伝えしましたが、私自身はこの私的契約制度について慎重な立場です。次回は、私がなぜ私的契約制度を撤廃すべきと考えるのか、その理由について詳しく述べていきたいと思います。

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