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2/1 ニュースなスペイン語 Retoque:修正

ついに、平等省(Miniterio de Igualdad)が通称「ハイはハイだけ法(la ley del 'solo sí es sí')」の修正を開始すると表明した。

1月30日の続報。

実は、月曜日に、最大与党であるスペイン社会労働党(PSOE)が、連立パートナーのポデモス党との合意のあるなしにかかわらず(con o sin acuerdo con Unidas Podemos)、本法の修正(reforma)を行うと発表を行っていた。

1月30日の記事にも書いたが、この法律が施行されることによって、女性たちに暴行した加害者たちに対して、厳罰が下されるはずだったが、法理論の不備により、減刑ラッシュ(rebaja de penas)が頻発する事態が発生していた。その数は270件を超えた。

そのため、法律の修正の声が国会内や世論から巻き上がっていたのだが、平等省も、そして、この法律を推進してきたポデモス党も、改正をかたくなに拒んできた。

で、今回の「retoque」という流れ。平等省(ならびにポデモス党)がとうとう折れた格好。

世間や社会労働党が主張してきた「reforma」ではなく、あくまでも「retoque」という語を使うところが、本法を立案した平等省の最後のプライドか。

「re-」は「再び」。この接頭辞に「forma」ないし「formar」が続く「reforma(r)」の、単語の構成から推測できる意味は、従って、「再形成(する)」ということになる。ここから、「修正」などの訳が出てくる。本腰を入れて、善きものに作り直すという感じか。

一方、接頭辞「re-」に、「触る;触れる」を意味する「tocar」、もしくは「タッチ」を意味する「toque」が続くと、「再び触れる」という意味になる。ここからも「修正」の訳が出てくるが、こちらは、ちょちょいと触って、パッと、軽く手直しするという感じか・・・。

さて、平等省としては、修正を飲まざるを得なかったのだから、面白くない。

だから、社会労働党は、野党と「ほぼ同じ(casi idéntica)」提案をしていて、「女性たちの権利を保護する姿勢が全くみえない(nunca se ha distinguido por defender los derechos de las mujeres)」と嫌味たっぷり。

そして、「私たちはこれまで、別次元の修正案をオンテーブルしてきた(Nosotras hemos puesto encima de la mesa otro tipo de retoques)」と社会労働党との違いを強調してみせた。

そして、今回は「最下限刑についていくつかの修正(algún retoque en las penas mínimas)」を目指すという。

理不尽な減刑判決の元凶のひとつが、少なからず、最下限の量刑の設定にあったので、この修正は功を奏すかもしれない。

しかし、「いかなる修正も減刑判決を無くすことにはならない(ninguna de las reformas servirá para evitar estas decisiones de rebajas de penas)」と述べているあたりがちょっと不思議。そして、「今後、裁判官の解釈の幅が、これまでよりは、狭くなる(dar menos margen interpretativo a los operadores jurídicos a futuro」とした。

最終的には司法での適用の仕方にかかっているということだろう。

本法以前の量刑に戻す(La reforma plantea volver a las penas anteriores) ことを修正案の中心としてきた社会労働党と、大きな溝ができてしまった平等省とポデモス党。

それでも、連立両党間の合意を得るためにはあらゆることをする(todo lo posible por llegar a un acuerdo)とし、あくまでも歩調を合わせる姿勢は崩していない。

写真は国営放送(RTVE)のインタビューに応じる平等省のビクトリア・ロセル(Victoria Rosell)。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20230130/igualdad-se-abre-retocar-penas-minimas-ley-solo-si/2419160.shtml