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7/6 ニュースなスペインの Anticiclón de las Azores:アゾレス高気圧

「アゾレス」とはイベリア半島の西側約1500kmの大西洋(Atlántico)沖に浮かぶ「アゾレス諸島」のことで、ポルトガル領。

スペイン語では「アソーレス」に聞こえる。

アゾレス高気圧はこのアゾレス諸島あたりに停滞していて、地中海沿岸やアフリカのサハラ地域の高温と乾燥を生み出している。

このアゾレス高気圧が、ここ1200年の間で、最も発達し、イベリア半島に800年間で最大の干ばつ(sequía)をもたらしている。そして、その一因は我々人間にある――。こんな調査結果が先日、発表された。

ここ1000年の間で前例がない(no tienen precedentes en el último milenio)と評されるアゾレス高気圧は、ヒトが排出する温室効果ガス(gases de efecto invernadero)によって拡大し続け、これから100年の間で、ヨーロッパの西側諸国、特にスペインとポルトガルの干ばつ率を10%から20%に引き上げてしまうらしい。

アゾレス高気圧は別名「雨の番人(gardián de lluvias)」とも呼ばれている。雨が降らないようにずっと目を見張っている――。こんなニュアンスか。

特に冬期の雨(lluvia invernal)が減るという。このように雨の少ない冬を、今回参照した記事では「invierno extremo」と表現しているが、日本語では何と言うのかわからないので、とりあえず「極端な冬」とでもしておくが、この極端な冬が、1850年以前の産業革命以前(periodo preindustrial)では10年に1回の割合であったそうだが、今世紀に入ってからは、4年に1回の割合で到来するとの予測がたっている。

スペインの干ばつや高温の反動で、日本に大雨とか低温の影響がでやしないかーー。昨今の日本の気象を見ていると、杞人の憂!と笑い飛ばせないところが怖い。

写真はガリシア州のラ・コルーニャ(A Coruña)にあるセセブレダム(Embalse Cecebre)。うっすらと水が見えるが、事実上、干上がっている。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20220704/anticiclon-azores-expansion-sequia-espana-portugal/2386596.shtml