5/20 ニュースなスペイン語 Isabel y Fernando:イサベルとフェルナンド
世界史を少しでもかじった人なら「カトリック両王(Reyes Católicos)」は一度は見たことがある歴史用語だろう。
具体的には、カスティージャ女王のイサベル1世とアラゴン王のフェルナンド2世を指す。ふたりは1469年に結婚し、ここにスペイン王国が誕生した。それまでバラバラだった小国が、スペイン語とキリスト教という共通の接着剤でくっついた。イサベルとフェルナンドの婚姻は、スペイン史の中で、極めて大きな意味を持つ。
では、ふたりの婚姻から500数十年経った今、現代版カトリック両王は出てくるのか?
かつてのふたり程の求心力があるかどうかは別として、最もスペインで知られた、もしくは、最もメディアへの露出度が高いイサベルとフェルナンドと言ったら、このふたりを置いて、考えられない。
イサベル・ディアス・アジューソ(Isabel Díaz Ayuso)マドリード現知事と専門家委員会の委員長、フェルナンド・シモン(Fernando Simón)のふたりだ。シモンは、連日のようにメディアに登場し、感染状況やコロナ対策を発表している。
アジューソを元祖イサベルの肖像画にはめ込んだのが、表題の写真だ。そして、その脇にいるのが、夫役をつとめるシモンをはめ込んだ元祖フェルナンドだ。
芸術家アブラハム・カレロ(Abraham Calero)が手掛けた作品だ。バレアレス諸島州(Balerares)の街路で見られる。
カレロ自身は「写真の限界( límites de la fotografía )」を探求しているそうだが、まぁ、ここがとりあえずの限界みたいだ。
ちなみに、アジューソは先の知事戦の際、下のようなアジューソ自身の顔写真の入ったビールを作って、バルに置いて回ってきたらしい。「私はアジューソの共に(Yo con Ayuso)」というスローガンも印刷されている。
アジューソの発想は、もはや、限界知らずだ。