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9/9 ニュースなスペイン語 Consentido:合意の下

20歳の青年が5日午後5時ごろ、マドリードのマラサーニャ地区(Malasaña)で、フードを被った(encapuchado)8人組に襲撃され、臀部(glúteo)に男性同性愛者を指す差別語「maricón」がナイフで刻み込まれたと訴えた。

すぐさま、ペドロ・サンチェス首相(Pedro Sánchez)は「この種の同性愛差別の襲撃に私は断固たる非難を表明する(Mi rotunda condena a este ataque homófobo)」とツイートした。

また、この8人組の背後に、性的少数者に否定的な言動を繰り返す、極右政党ボックス党(Vox)がいるとの憶測が出ていることに対して、マドリード市長のマルティネス・アルメイダ(Martínez-Almeida)は、いくらなんでも「行き過ぎ(excesivo)」と述べるなど、政界はざわついた。

また、青年の訴えを聞きつけた市民が、大勢集まり、性的少数者を狙った暴力事件に対する抗議デモを行ったりもした。

それが、だ。

今日になって、青年は「キズは合意のもとにつけたものだった(las heridas fueron consentidas)」と証言し始め、パートナーからつけられたことを示唆した。

思えば、第一報で、「立証されていない」ことを意味するpresuntaという形容詞が付いていた。警察も当初からいぶかしがっていたのかもしれない。

地域の複数の防犯カメラ(numerosas cámaras de seguridad)には、件の8人組は写って(capturar desde)おらず、警察(autoridades)が商店や隣人への聞き込みをするも、「何も聞いてない(no escucharon nada)」としか返答が無かったという。

ただ、こうしたニュースが真実味を持ってしまうあたりに、スペインの闇があるのかもしれない。ここ数日間のうちに、メリージャ(Melilla)をはじめとする都市、続けざまに、同様の事件が起きた。それに、ジェイダ(Lleida)では、レズビアンを攻撃(agresión lesbófoba)する事件も起きた。

写真は、青年の被害を受けて、実施されたデモ。横断幕には「Ni un paso atrás(一歩たりとも引かない)」と書いてある。