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12/16 ニュースなスペイン語 Efraín:エフライン

「エフライン」は男子の洗礼名で、ヘブライ語に由来する。原義は「実りある(fructífero)」で、聖書にも出てくる、由緒ある名前のようだが、小生の周りには、この名前を冠した知り合いはいない。

日本語の聖書解説では「エフライム」と表記することもあるようだ。

この「エフライン」が、ここ数日、毎日のように、メディアに出てくる。

というのも、スペインで大きな被害をもたらしている低気圧(borrasca;temporal)に付けられた名前だからだ。

低気圧エフラインは、12日あたりから、スペイン全土に大雨(precipitación)、浸水被害(inundación)、高波(fuerte oleaje)などを巻き起こしている。

15日には、マドリードで、地下鉄の駅に水が流れ込むなどして、6本の線で運休(corte)などの措置が取られた(=写真)。

そのエフラインによって、とうとう、犠牲者(víctima mortal)が出た。

13日、カスティージャ・イ・レオン州のサラマンカで、55歳の環境整備員(agente medioambiental)の男性が、増水した河川で行方不明(desaparecido)になった。

捜索(labor de búsqueda)の結果、行方不明の地点から、約1キロ離れた、ポルトガルとの国境付近で、昨日、男性の遺体(cuerpo)が発見された。

この男性の死に際して、真っ先にツィートしたのが、首相のペドロ・サンチェス(Pedro Sánchez)だった。

この度サラマンカで亡くなられた環境整備員のご家族と同僚の皆さんに、私の愛情と団結をお届けします。ここ数時間の大雨は各地で大きな被害を出しています。人的被害は取り返しが付きません。細心のご注意を。Mi cariño y solidaridad con la familia y compañeros del agente medioambiental fallecido en la provincia de Salamanca. Las intensas lluvias de las últimas horas han causado graves daños en varias provincias, pero las pérdidas humanas son irreparables. Mucha prudencia.

サンチェスは、よく、有事の際に「団結(solidaridad)」という語を使う。

日本語なら、「皆さんにしっかりと寄り添って」とか「きずな」というべきところか(それ以前に、日本で同様の事故が起きたら、岸田文雄総理は、こういう言葉をいち早く表明するかな・・・)。

首相に続き、カスティージャ・イ・レオン州議会の報道官(portavoz)など、行政の関係者らも、環境整備員の死を悼んだ。

昨年の1月は、フィロメナ(Filomena)という名の爆弾低気圧がスペインを直撃し、マドリードをはじめとする各地で、甚大な被害をもたらし、都市機能が完全に麻痺した。数名の犠牲者も出た。

が、この時分はまだ、noteを始めていなかったので、当時の様子が手元に残っていない。記録を少しずつでもつけておく意義を感じる。

なお、エフラインの勢力は次第に弱まって(debilitando)きており、多くの地域で警報(alerta)は解除されている。

スペインは今年の夏も大変だったが、冬も用心しなければいけない。

備忘録:日本でも、ここ数日、北海道を中心に、大雪が降り始めた。

写真は地下鉄の線路に流れ込んだ雨水。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20221215/muere-agente-medioambiental-salamanca-intensas-lluvias-borrasca-efrain/2411849.shtml#:~:text=Las%20intensas%20lluvias%20por%20la%20borrasca%20Efra%C3%ADn%20han%20provocado%20la,donde%20hab%C3%ADa%20aparecido%20su%20coche.