2/27 ニュースなスペイン語 Virus de Marburgo:マールブルグ熱ウィルス
世界保健機関(WHO;OMS)は今月13日、赤道ギニアでマールブルグ熱ウィルスを検出(detección)したと発表した。
今回、赤道ギニアのキエ・ンテム県(provincia de Kié-Ntem)では同ウィルスで9名が死亡している。
さらに、スペインのバレンシア州で、同ウィルスと似たような症状を見せた男性(34)が発見されたが、幸い、ウィルスは検出されなかった。
小生はこのマールブルグ熱ウィルスというのは初耳。
今すぐに感染爆発という危険はないものの、ちょっと気になったので、基本的な点をまとめておこう。
マールブルグ熱ウィルスはエボラウイルス(ébola)と同属で、出血を伴う発熱(fiebre hemorrágica)を発症する。潜伏期間は5日から11日(incubación de entre cinco y once días)で、極めて感染力が強く(altamente infecciosa)、患者は数日で死に至る(muerte en pocos días)という。
もっとも、致死率(mortalidad)は地域によって異なり、アフリカでは80%だが、ヨーロッパでは20%だという。
アフリカでは、今日までに3500名以上が死亡している。
一方、ヨーロッパでは、比較的、コントロールは容易とされ(relativamente fáciles de controlar)、市民に特段の危険はない( sin riesgo para la población)らしい。
1967年、ドイツのフランクフルトとマールブルク、そして、セルビアのベルグラードのある研究所(laboratorio)で、この熱ウィルスのクラスター(grandes brotes)が初めて検知された。
このラボでは、ウガンダから輸入したグリーンモンキー(mono verde)の内蔵組織を検査していて、この業務にあたっていた研究員たちがマールブルグ熱ウィルスに感染した。
自然界ではフルーツコウモリ(murciélagos de la fruta)が自然宿主(huéspedes naturales)で、ここから人に感染。
そして、血液(sangre) 、唾液(saliva)、嘔吐物(vómitos) 、尿(orina)などの体液(fluido)に直接触れる(contacto directo)ことで、人から人に感染する(puede ser contagiado)。
高熱(fiebre elevada)、激しい頭痛(cefalea intensa)、強烈な不快感(gran malestar)、筋肉痛(dolor muscular)が突如(bruscamente)感染者を襲うという。
さらに、感染から3日目から激しい下痢(diarrea intensa)、腹痛(dolor y cólicos abdominales)、むかつき(náuseas) や嘔吐(vómitos)などが1週間続く。
多くの場合、臓器からの出血(hemorragia)が5日〜1週間続く。
そして、重症の場合、神経にも支障(afectación del sistema nervioso central)を来し、錯乱状態(confusión)に陥り、イライラしたり(irritabilidad)、攻撃的になったり(agresividad)するという。
もう、何だか、人が一生のうちに体験する苦しみのほとんどをわずか1週間に凝縮した感じ。
しかし、困ったことに、マールブルグ熱には、特定の治療が無い(no cuenta con un tratamiento específico)という。ただ、静脈注射(líquidos intravenosos)や酸素吸入(oxígeno suplementario)などの補助療法(terapia de apoyo)で劇的に改善はするという。
また、専用ワクチンもない。
エボラ出血熱用のワクチンが有効かもしれないが、まだ、臨床実験(ensayo clínico)では、十分な効果(eficacia)は確認できていない(no se ha demostrado)。
罹患したらかなり危うい。かと言って、専用ワクチンもないのだから、現段階できることは、感染の危険がありそうなところには、興味本位で近寄らないという自衛策しかないようだ。
写真はマールブルグ熱ウィルス。
出典
https://www.rtve.es/noticias/20230225/virus-marburgo-sintomas-contagia/2427589.shtml