8/21 ニュースなスペイン語 CGPJ(1):司法評議会(1)
Consejo General de Poder Judicialの頭文字を取ったのが、表題に挙げた「CGPJ」だ。
この評議会の改革(reforma)を巡り、与党であるスペイン社会労働党(PSOE)と野党第一党の国民党(PP)が対立している。
そして、この度、国民党に、内部対立(brecha interna)までも引き起こす結果となってしまった。
なかなか根の深い問題なので、何回かに分けて紹介してゆこう。
まず、この評議会について、簡単にまとめておくと、20名の法律の専門家たちから構成されていて、内12名が裁判官(juecez y magistrados)、そして、残りの8名が法学者(juristas)だ。
この評議会は、スペイン政府に対して、法律についての助言(consejo)を行う諮問機関だ。
日本にも、感染学の専門家たちが、コロナ政策にあれこれ意見しているアドバザリーボードというのがあるが、その司法版というイメージ。
評議会の役割の中で最も大きいのが、憲法裁判所(Tribunal Constitucional)の指名提案(propuesta)だ。
憲法裁判所はその名の示すとおり、法律(ley)や法令(decreto)が憲法(Constitución;Carta Magna)に反していないかの判断を示す機関。
Tribunal(裁判所)という語が原語に使われているので「裁判所」という訳語を当てているが、ヒトを裁くわけではないので、厳密な意味で「司法(Poder judicial)」を担っているわけではない。
ちなみに、憲法裁判所は日本にはないが、同じ役割を最高裁判所(Tribunal Supremo)が担う。
スペインの憲法裁判所は12名構成。いずれも国王によって任命(nombramiento)される。
そして、12名の裁判官のうち、下院(Diputado)と上院(Senado)がそれぞれ4名ずつ、内閣執行部(Gobierno)が2名、そして、残る2名を司法評議会が指名提案する。
この司法評議会の構成メンバーをどうやって選出するのかを巡って、スペイン社会労働党と国民党はずっと対立してきたのたが……。
今回はこの辺りでお開きにしましょ。
写真はカルロス・レスメス(Carlos Lesmes)という人物。司法評議会の議長であると同時に、最高裁判所の長官でもある。いわば、法の番人たちを束ねる、法曹界のドンだ。