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5/17 ニュースなスペイン語 Cataluña(2):カタルーニャ(2)

ぎりぎり、滑り込みセーフといったところか。

昨日の続報である。

カタルーニャ共和主義左翼(ERC)とジュンツ党(Junts per Catalunya)は週末に協議を重ね、概ね、以下の3点で合意(acuerdo)した:

① ERCのペラ・アラゴネス(Pere Aragonès)カタルーニャ州臨時知事(President en funcions)を正式に知事として擁立する(investidura)。
② ERCとジュンツ党は連立政権(coalición)を組む。
③ 再選挙(repetición de las elecciones)を回避する。

ERCとジュンツ党が発表した文書で、まず、両党はこれほどまでに交渉(negociaciones)が長引いたことにお詫びの弁(disculpas)を並べた。

そして、この合意の目的を以下のように述べている:

この合意の目的は国と国民に可能な限り尽くし、皆のために統治を行い、カタルーニャ州の独立という共通の目的のために前進してゆくことに他ならない(El objetivo no es otro que servir al país y su gente de la mejor manera posible, gobernar para todos y a la vez poder avanzar hacia el objetivo común de la independencia en forma de República Catalan)。

カタルーニャの独立を合意に盛り込むあたりは、左派連立政権として、抜かりはない。

ERCとジュンツ党がこれまで散々非難合戦(reproches mutuos)を繰り広げてきたことを思い起こせば、これだけの歩み寄りは、まぁ、「大人の対応」と見るのが自然だ。とりあえずは、合意③のための対応だろう。選挙はカネがかかるし、エネルギーも奪われる。州民の徒労感も募る。誰も得しない。

ところで、カタルーニャ州議会でのジュンツ党の議席は32、ERCは33議席。両党は共に単独過半数は達成出来ない。だから、ジュンツ党は連立相手のERCに今後、様々な揺さぶりをかけてくるだろう。何せ、ジュンツ党は協力は無償(gratis)ではないと常々表明しているのだから。しかし、ジュンツ党としても、過度の揺さぶりで、ERCから愛想を尽かされてもまずいのだ。両党、持ちつ持たれつ、節度を保ち、付かず離れずの関係をどこまで維持できるか。

同じく独立派の人民統一候補(CUP)は今後、どうなるか。CUPはこれまで、ERCとジュンツ党の「仲裁(mediador)」に徹してきた。ERCが、何を思ったか、ポデモス党(Podemos)のカタルーニャ会派(En Comú Podem)と密約(pacto)を結んだとされた時も、これに口出しはしなかった。しかし、結局、ERCはEn Comú Podemとの密約を反故にした。

ERCはこんな健気なCUPに義理を感じているはずで、恐らく、合意②の連立に招き入れる心積もりはあるはずだ。また、今後、「カタルーニャ独立」という共通のスローガンの元、新生政党、ANC 党やÒmnium党などが連立に合流するかもしれない。ERC−ジュンツ連立政権にとって、今後、議席は1つでも多く確保したいところだ。来るものは拒まず、だろう。

写真はジュンツ党党首、ラウラ・ボラス(Laura Borràs)。カタルーニャの今後を握るキーパーソンのひとりだ。