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2/10 ニュースなスペイン語 Marcapasos:ペースメーカー

マラソン(maratón)で視覚障がいを持つ人をサポートするランナーも「marcapasos(ペースメーカー)」だが、今回は心臓に付ける方の「ペースメーカー」のお話。

マドリード州にあるラ・パス大学病院(Hospital Universitario La Paz)で、洞不全症候群(disfunción sinusal)という、心臓が正常に機能せず、心拍数が低下(ritmos lentos)するなどして、失神(síncope)を起こす病気をわずらった患者にペースメーカーを埋め込む(implanta;aloja)ことができたそうだ。

小生は医学の門外漢の割に、こうした医療関係のニュースにどうも関心が向く。

特に「初めて(por primera vez)」という表現が見えると、まんまと飛びつく。

ただ、門外漢とは言え、普通のペースメーカーを埋め込むくらいの記事では食指も動かないのだけど…。

今回は、ペースメーカーがケーブルなし(sin cable)で、しかも、心臓の心房と心室の2ヶ所を同時に動かすことのできるタイプ(de dos cámaras)である点が画期的(novedad)だという。

これまでスペインで埋め込まれてきたペースメーカーの多くは以下のようにケーブルのついたタイプで、詳しくは分からないが、ネットを見ると、手のひらサイズのようだ。

ただ、ケーブル付近になんらかの感染症が発生するリスク(riesgo de complicaciones relacionadas con los cables y las infecciones)を常に伴っていたという。

そして、ケーブルがないタイプでも心房か心室のどちらかに取り付けるものが主流だったらしいが、2ヶ所の室に作用するペースメーカーの方が、患者の回復がより良い(recuperación más ágil del paciente)という。

そして、この度、埋め込まれたタイプがタイトル写真にあるような装置で、手のひらにチョコンと乗るくらいの大きさ。

親指と人さし指でつまんでいる写真もある。

専門家は「これからの心拍医療はこうなる(Es el futuro de la estimulación cardíaca)」と今回のペースメーカー埋め込みについて高く評価する。

記事には専門的なことが色々書いてあるけど、今回は割愛するが、手術が行われたラ・パス大学病院では、ペースメーカーの埋め込みの手術(intervenciones de estimulación cardíaca)を800回ほど実施してきた点は重要。

また、ラ・パス大学病院は2012年以来、ペースメーカーからケーブルを取り除く技術を持つ医師の育成に努めてきて(formación en técnicas de extracción de electrodos de marcapasos desde 2012)、今では150名を超える専門医を世界中に輩出してきた(ha llegado a formar a más de 150 profesionales de todo el mundo en este tipo de intervenciones)というのも小生好み。

第一線を進むこと、そして、そのノウハウを独占しないことが心惹かれる。

スペインは2024年1月22日などの小欄でも取り上げたように、臓器移植(trasplantes de órganos)に関しては、30年以上にわたり、世界でトップ(líder mundial)を守り続けていたり、日を改めて紹介するが、がん治療でも良い成績をおさめているらしい。

医療大国スペインを改めて実感。

写真はデュアルチャンバ型のリードレスペースメーカー。

昔、生物の授業で、なかなか、「心房(aurícula)」と「心室(ventrículo)」がどちらだったか覚えられなかったことを思い出した。

心房を表す「aurícula」は「耳(oreja)」と同語源で、「心耳」と呼ばれる胎児の頃に原始心房として機能していたものが残っているらしいから、この「耳」が付いてる方が「心房」。

ただ、この心耳に出来た血栓が、脳卒中を引き起こすことが多いらしいので、かなり厄介な「耳」。

一方、心室を表す「ventrículo」は「胃袋」という意味もあるので、胃に近い、つまり、下の方にあるのが「心室」。

まぁ、今となっては、役には立たない豆知識だけど。

出典https://www.rtve.es/noticias/20250208/hospital-paz-madrid-implanta-por-primera-vez-nuevo-tipo-marcapasos-sin-cables-con-estimulacion-auricular/16441523.shtml