4/26 ニュースなスペイン語 Desclasificación:極秘情報の公開
Desclasificaciónの語の作りから想像できる意味は「整理整頓されている状態(clasificación)を解除(des-)すること」だ。
日西辞典には、この語の動詞の形(desclasificar)しか載っていなくて、「ばらばらにすること」という意味が付いている。
これが転じて、タイトルのような日本語が付くに至るのだが、むむむ、1回の「転じ」ではちょっと無理かも。2~3回「転じ」て、いろいろ想像力を働かせないと・・・。
ちなみに、西西辞典では「ある文書の極秘性を解くこと(Levantar el carácter secreto o reservado de un documento)と説明されている。
さて、4月21日の記事でも紹介したが、イスラエルの企業によって開発されたスマホ監視ソフト「ベガサス(Pegasus)」によって、カタルーニャ地方の独立派(independentista)の議員約60名が、活動を監視されていたという疑惑(posible espionaje)が現在、持ち上がっている。
政府は、直ちに、「包み隠すことは微塵もない(no tiene absolutamente nada que ocultar)」との声明を出し、監視活動への関与を否定した。
これに対して、カタルーニャ州知事であり、独立派の急先鋒ペラ・アラゴネス(Pere Aragonès)は、政府の見解について「信頼ゼロ(Confianza cero)」と批判した。
そして、政府から満足のいく説明がなければ、政府が今週にも打ち出す予定の、ウクライナ戦争による打撃を和らげるための緊急対策案に協力できないとも言い出した――。
これまでの流れはこんな具合だ。
そして、 この度、首相省(Ministrrio de Presidente(日本の「内閣府」に相当))大臣フェリス・ボラーニョ(Félix Bolaños)は「即時(inminente)」に問題の解明を約束した。
我々は透明になり(≒包み隠さず)、文書の極秘化を解除し、司法に協力してゆく(Vamos a ser muy transparentes, a desclasificar documentación y a colaborar con la Justicia)
と決意を表明した。
そして、「公的極秘情報委員会(Comisión de Secretos Oficiales)」を招集するとの考えを示した。また、自身の辞任は否定した(descarta su cese)。
ちなみに、この委員会については議会の規則には規定がない(no está en el reglamento de la Cámara)らしい。今後、この委員会の性格や運営、法律的な位置づけの問題も出てきそうだ。
国家情報局(Centro Nacional de Inteligencia(アメリカのFBIに相当))による内部調査(investigación interna)を行い、議員らが委員会で情報局に対して直接質問ができるようにする(los grupos políticos puedan "preguntar directamente al CNI" en esa comisión)仕組みを作るようだ。
ボラーニョは「中央政府はカタルーニャの議員の懸念を理解している(Entendemos la preocupación)と述べ、カタルーニャに寄り沿う姿勢を見せている。
と言うのも、中央政府にとって、カタルーニャ州政府との関係は、「delicada」だからだ。Delicado/aには意味が多いが、まぁ、「繊細で、壊れやすくて、デリケートで、扱いにくくて、難しい」関係という、いろいろな含みをもっているということなのだろう。それにしても、これを一言で言えるスペイン語って楽だなぁ・・・。
まずは、政府が問題の解決に向けて、本気の姿勢を見せているみたいだから、お手並み拝見としておこう。それにしても、ペガサスからの情報はどこに集められているのか・・・・。国家による監視活動が現存するのは、ちょっと、コワい。
写真は首相省大臣フェリス・ボラニョ。