ニュースなスペイン語 Día Internacional de las Mujeres(3):国際女性デー(3)
スペインでは8日、国際女性デー(Día nternacional de las mujeres)を迎えた。いろいろな出来事があった。
① 既報のとおり、首都マドリード市での集会(concentración)とデモ(manifestación)はすべて禁止するという決定を官公庁(Delegación)が出し、州最高裁(Tribunal Superior de Justicia de Madrid)がこれを支持したこともあり、同市での表立った活動は、あまり、報じられていない。しかし、カスティーリャ=ラ・マンチャ州(Castilla La Mancha)のトレド(Toledo)では、「もし私たちが止まれば、世界も止まる(Si nosotras paramos, se para el mundo)」と書いた横断幕をもって、10数名の女性たちが、小雨が降る中、静かに立っている映像が放映された。マスクも着用し、ソーシャルディスタンスも保った、正当なデモだ。一方、カタルーニャ州(Cataluña)のバルセロナ(Barcelona)でのデモは、2000名が参加し、一部が瓶を投げるなどの暴徒化した模様だ。
② 首相ペドロ・サンチェス(Pedro Sánchez)は8日当日、「皆さんがいなければ、進歩も望めない。私たちは皆さんと共に、スペインが真の平等を実現できるために進み続ける(Sin vosotras no hay progreso posible. Seguiremos a vuestro lado para avanzar en la España Feminista que haga real la plena igualdad.)」とツイートした。他の閣僚もおおむね、女性デーに理解を示している中、断固として反対の態度を示しているのが、極右のボックス党(Vox)だ。同党報道官のホルヘ・ブシャデ(Jorge Buxadé)は、「女性を政治的な目的の達成のために使う、暴力的な、そして全く狂気的なフェミニズム(feminismo violento y absolutamente enloquecido que utiliza a las mujeres para conseguir objetivos políticos)」と一部のデモを批判し、党として、女性人権運動関連のイベントには参加しないことを表明。その代わり、8日をコロナ犠牲者を追悼する日にすべきだとの提案を行った。
③ マドリード市シウダー・リネアル地区(Ciudad Lineal)の壁画が何者かによって、落書きの被害を受けた。壁画にはフリーダ・カロ(Frida Kahlo)らが描かれていたが、黒いペンキがかけられた。住民たちは急きょ、15名の女性活動家たちのポスターを印刷し、壁画の上に貼って、その場をしのいだようだ。この落書き事件に関して問われたブシャデは、「私が罰したいのは、バルセロナで開催された暴力的なフェミニズムのデモの方だ」と述べ、落書き事件については放免する考えを示した。
④ バレンシア州(Valencia)では、58歳の女性が元交際相手(ex pareja senitimental)の男から、刃物で複数刺され、地区内の病院に搬送された。容体は不明。男は逮捕された。女性の権利の復権(reivindicación)を求めるこの日に、痛ましい「交際相手暴力(violencia machista)」が起きてしまった。
写真はEl País紙(3.8.)より。バルセロナ市のデモ隊の一部。