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12/3 ニュースなスペイン語 Cortina de humo:煙に巻く

今回のキーワードは、直訳すれば、cortinaは「カーテン」、humoは「煙」なので、「煙カーテン」、つまり、「煙幕」のこと。

都合の悪いものを隠すのは煙――。スペイン語も日本語も大差ない。

さて、これは、ガリシア州知事(presidente de la Xunta)アルフォンソ・ルエダ(Alfonso Rueda)が言ったことば。どのような文脈で使われたのか。

まず、以下の画像を見ておこう。

これはガリシア州政府が展開しているキャンペーン映像の一部。先月24日にツイッターで公開されたものだ。

ガリシア語で次のように書いてある。

さぁ、スポーツレギンスを着てみて。そして、今夜、外に出てみよう。何が起こると思う?そう、起こってはならないことだけど、でも、それは起こるんです。

この、あたかも、「それ」、つまり、女性を狙った不幸な事件の責任を女性に負わせる(responsabilizar a las mujeres de la violencia)かのようなポスターには、特に平等省(Ministerio de Igualdad)から否定的な反応が寄せられた。

ポスターの下に見える「igualdade.xunta
gal」と平等省を連想させるロゴについて、「本省はいかなる役割も果たしていない(no juegan ningún papel)」し、これは「ガリシア州政府の事案(cosa de la Xunta)」として、国としての関与を完全に否定した。

その上で、「極めて深刻かつ悪趣味、男性本位(gravísima, nefasta y machista)」のキャンペーンに国からの補助金(fondo)が使われているとは知らなかったとした。

ガリシア州知事のルエダが国民党(PP)所属であることを念頭に、平等大臣のイレネ・モンテロ(Irene Montero)は30日、同党を「レイプ文化を推進している(promover la cultura de la violación)」として、強く批判した。

そして、ルエダが定例会見の中で記者から、イレネの批判についてどう思うかと質問されて、ルエダの口からでてきたのが、本日のキーワード「煙に巻く」だ。

あれは、本当に大切なことを語らないために、煙に巻いてるんですよ(Es una cortina de humo para no hablar de lo que realmente es importante)。

ルエダの言う「本当に大切なこと」とは、もちろん、「性的自由を保証する基本法(Ley Orgánica de garantía de la libertad sexual(以下、「基本法」))」が絡んだ話。

つまり、この基本法を適用したことで、ここ数日間、裁判所が量産している判決修正にていて、

(レイプ犯たちの)減刑や保釈が五月雨式に出ていることについて、お話になりなくないんでしょう(para no hablar del goteo de rebajas de penas y excarcelaciones)

という見解。

国民党への批判を「隠れ蓑(みの)」にしているとも言い換えられそう。

イレネから「レイプ文化を推進している」とされた国民党も黙ってはいない。今月1日に大臣の辞任(dimisión)などを求めたのだが、これについては、次回の記事で紹介しよう。

写真はガリシア州知事アルフォンソ・ルエダ。国民党現党首アルベルト・ヌニェス・フェイホ(Alberto Núñez Feijóo)の後継者。

出典
◇https://www.rtve.es/noticias/20221124/polemica-campana-xunta-galicia/2409981.shtml#amp_tf=%251%24s%20%E3%82%88%E3%82%8A&aoh=16699745362279&referrer=https%3A%2F%2Fwww.google.com&ampshare=https%3A%2F%2Fwww.rtve.es%2Fnoticias%2F20221124%2Fpolemica-campana-xunta-galicia%2F2409981.shtml

◇https://www.europapress.es/galicia/noticia-rueda-ve-criticas-montero-campana-xunta-cortina-humo-contra-rebajas-penas-20221201145842.html