4/8 ニュースなスペイン語 Reduflación:シュリンクフレーション
シュリンクはshrink「縮む」、フレーションはinflation「膨張;インフレ」の後半部分。
シュリンクフレーションとは、つまり、モノの内容量が縮むのに、値段が膨らむ、ないし、据え置かれる状態を指す。
スペイン語のreduflaciónも単語の造りは同じで、reduはreducción「減少」の前半部、flaciónはinflación「膨張;インフレ」の後半部。最近、新聞などでよく見るようになった単語だ。
シュリンクフレーションの状態をスペイン語で嘆くなら、次のようになる。
いくつかのメーカーは、容器に含まれる量を減らしたが、価格は据え置くか、それどころか、価格を上げることすらした(Algunos fabricantes han disminuido la cantidad que incluyen en sus envases, pero han mantenido el precio o, incluso, lo han aumentado)。
消費者協会(Organización de Consumidores y Usuarios)によれば、シュリンクフレーションは「価格の上昇をカムフラージュする(camuflar la subida del precio)」ためだという。
シュリンクフレーションは食料品だけに限った話ではなく、衛生用品(higiene)や医薬品( droguería)にも適用される。
同協会によると、シュリンクフレーションの動きは、スペインでは、昨年、日常化していた(habitual)。例えば、「コラカオ(Cola-Cao(日本の「ミロ」のようなチョコレートの粉末))」は40グラム(gramos)減った。
他にも、メルルーサ(merluza)の切り身(lomo)は、400グラムから360グラムに内容量が減ったにもかかわらす、値段は据え置き。これは、事実上(en realidad)、価格が3.2%上昇したことになる、という。
このように書くと、メーカーは随分あくどいことをやっているように映るが、シュリンクフレーションは「完全に合法(completamente legal)」だ。内容量が減ったことを容器に表示(indicada)している限りは全く問題なし(ただし、消費者は「だまされた(engaño)」と感じるけど・・・)。
前述の協会は、ポテトチップを1枚1枚数えたり、缶詰のわずかなグラム数を記録するのは「ややこしいこと(complicado)」と消費者に同情する。だから、消費者にとって、シュリンクフレーションを「検知することは難しい(difícil de detectar) 」と指摘する。
そこで、スーパーなどで表示が義務付けられている、1グラム(1リットル)数の価格(el precio por kilo o por litro)を見比べてみると、容器を除いた純粋な内容の値段(precio real del producto)が分かるから、シュリンクフレーションを見破るのに役立つとアドバイスしている。
スペインでは、シュリンクフレーションは、少なくとも、年内は続くという。家計(cesta de compra(=原義は「買い物かご」))には厳しい2022年になりそうだ。
さて、日本はどうか・・・。
写真は「トゥリパン(Tulipán)」。代表的なマーガリン(margarina)の名称。こちらは、50グラム減少したという。