3/18 ニュースなスペイン語 Noticias:いくつかのニュース
いくつか重要なニュースがあるので、オムニバス形式で。
① 欧州委員会(Comisión Europea)は17日、ワクチン接種証明(pasaporte de vacunación)の概要を承認した。今後、正式名称や略称などが出てくるだろうが、スペインでは、とりあえず、「Pasaporte COVID」とか「verde(緑=ゴーサイン)」の入った「Pasaporte verde COVID」いう用語が出ている。
ポイントは3つで、まず1.無料(gratuito)で発行される、次に2.発行国の公用語と英語の2言語(bilinüe)で作成される、最後に3.紙版とデジタル版の両方に対応する(QRコードを付けるようだ)。そして、ワクチン接種の有無の他に、抗体(anticuerpo)の有無なども表示されるらしい。
もうひとつ重要な点が、ワクチンを拒否する信条の持ち主やワクチンが提供できない国や地域の人々を排除することをなりかねないかという、発案当初からの懸案事項についても前進があった。つまり、ワクチン接種をしていなくても、PCR検査の有無や抗体検査(la prueba de antígeno)が陰性であることも記録されることから、これによって、ワクチン接種をした人と同等の扱いを受けることになるようだ。
Pasaporte verde COVIDがあることで、EU圏内の移動が自由になるようだ。これを映画館やスポーツジムに導入するという話は、現在のところ、まだ出てない。日本でもぼちぼちこうした前向きな議論が聞きたい。
② ムルシア州での不信任決議(moción de censura)騒動は18日、一応の決着を見そうだ。
賛成票と反対票の行く末が、3月14日付の記事でお知らせした状況と変わった。不信任決議を提出したスペイン社会労働党(PSOE)と市民党(Ciudadanos)に加え、ボックス党(Vox)とポデモス党(Podemos)が決議案に賛成票を投じるので、全部で21票。過半数まで2票足りない。それにしても、市民党からの3名の造反議員(disidente)の決断が、不信任決議案にとって、いかに致命的であったかが分かる。
一方、決議案に反対なのは国民党(PP)と、市民党からの造反議員3名。この時点で反対は20票。そして、実は、ボックス党からも造反議員が3名出て、いずれも反対票を投じると表明しているので、23の過半数(mayoría absoluta)を獲得することになる。なお、市民党から1名、棄権(abstención)が出るかもしれない。
従って、サプライズがなければ、不信任決議は否決され、現職のムルシア州知事フェルナンド・ロペス・ミラス(Fernando López Miras)が率いる国民党(PP)政権が継続することになる。
市民党はムルシア州で惨敗。そして、5月に実施予定の総選挙でも苦戦を強いられるだろう。市民党が、自らの無謀とも思われる発議に払うツケはあまりにもでかい。
写真はOnda Cero紙(3.17.)より。写真はPasaporte Verde COVIDのイメージ画像。左が紙バージョン、右がデジタルバージョン。