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3/2 ニュースなスペイン語 Inmoral:非人道的

ロシアによるウクライナ侵攻を「非人道的」と言っているのではない’(これは誰の目から見ても「非人道的な」侵攻で、何も声高らかに言うことではない)。

ロシアによるウクライナ侵攻に際して、スペイン政府がウクライナに直接、武器供与しないことを「非人道的」と評する勢力がスペイン国内にいる。最大野党の国民党(Partido Popular)がそれだ。

昨日の記事でも紹介したが、スペインの今のスタンスは、NATO加盟国とウクライナとの国境の警備を強化するために軍を投入するというものだ。直接、ウクライナに軍を派遣したり、武器を供与したりはしない。

このスペイン政府の、つまり、ペドロ・サンチェス首相(Pedro Sánchez)のスタンスを、連立与党のポデモス党(Podemos)は「慎重(prudente)」と評価する。

しかし、こうしたスタンスを、国民党は上にも見た通り「非人道的」、そして、同じく野党の市民党(Ciudadanos)は「恥(una vergüenza)」とまで批判する。国民党はサンチェスが「(連立を組む)ポデモス党の方ばかり見ている(Sánchez esté mirando a Podemos)」と指摘し、市民党もサンチェスに「ポデモス党の顔色をうかがうのをやめて(deje de mirar a sus socios en Podemos)」、「目の前の現実を見よ(mire la realidad a la cara) 」と要求する。

そして、市民党は、NATOによる武器供与や軍隊派遣を一貫して批判しているポデモス党を、「反進歩的で、西側諸国らしからぬ、反民主主義的な動き(un movimiento iliberal, antioccidental y antidemocrático)」と批判するありさまだ。

市民党は次のようにも言った:

スペインは、西側諸国の民主主義を食い尽くそうとするキクイムシのごとく動くポデモス党の党員たちを怒らせないために、ウクライナに援助の約束すら取り付けられない(España no puede subcontratar la ayuda a Ucrania para no enfadar a los señores de Podemos porque trabajen como una carcoma para la destrucción de la democracia occidental)

戦時下では戦争に理解を示すものが勇者、戦争に異を唱えるものが臆病者だ。しかし、後の歴史は、いつだって、これが幻想で、真実はその逆だということを物語ってきた。

出典
<本文><写真>
https://www.rtve.es/noticias/20220301/reacciones-partidos-sanchez-armas-ucrania/2299920.shtml