3/13 ニュースなスペイン語 34175 años de prisión:懲役3万4175年
昨日の小欄でも触れたが、今年の3月11日は、スペインでは、列車同時爆破テロ(atentados simultáneos)から20周年(20 aniversario)となる節目だった。
取り上げたい話題はたくさんあるが、今回は、同時爆破テロの主犯らに爆弾(explisivos)などを提供し(facilitar)、192人を殺害し、2000人以上に怪我を負わせたテロ実行に「不可欠な協力者(colaborador necesario)」として、3万年を超える懲役刑を言い渡された人物に触れておこう。
名をホセ・エミリオ・スアレス・トラソラス(José Emilio Suárez Trashorras(写真))という。
1976年生まれの現在47歳。
アストゥリアス州出身の元炭鉱夫(exminero)というから、爆薬の扱いに慣れていたのかもしれない。
ヨーロッパ大陸で最悪とも評されるテロ事件に関与したのが、27歳の時だから、すでに20年間監獄生活ということになる。
小生はスペインの刑法がよく分からないのだが、トラソラスは、3万年を超える懲役を言い渡されているが、実際は、2044年3月に出所が可能になるらしい。
どうやら、収監されてから、出所されるまで40年間というのが、スペインの刑法が定める事実上の最高刑(máximo)らしい。
そんなトラソラスが1週間前、「私は自分がした全てのことについて、被害者の方々に申し訳ないと思っている(Les pido perdón por todo lo que he hecho)」とのコメントを弁護士を通じて出した。
その一方で次のように続ける。
ただ、私は裁判官の皆さんに、更生の期待をもってもう一度、裁いて頂きたいとも思う。なぜなら、今、私はあの事件に関与した27歳のガキとは違う男になっているからだ(pero también les pido que me juzguen con perspectiva porque no soy el mismo hombre hoy que el chaval que era con 27 años)
と持論を展開した。
その上で、自らが患う精神障害について、「私は医師にも、精神科医にも面会することが認められていない(No me dejan acceder a mis médicos o mis psicólogos)」と窮状を訴え、次のように述べた。
もう全てのことがとても耐えられたものではなく、私を襲う苦しみとストレスは私の身体的な健康にも支障をきたしている。だから、私は安楽死で死ぬ方がましだ(Todo se hace ya tan insoportable que el sufrimiento y el estrés que me acarrea están repercutiendo en mi salud física así que prefiero la eutanasia y morir)
まぁ、身勝手の極みだが、あと、20年あまり、自らの罪の大きさと向き合ってもらうしかない。
写真はトラソラス。
実行犯2人は懲役4万2922年。
かのテロ事件に関与した18人の内、服役しているのは、トラソラスと実行犯の3人のみだという。
主犯のふたりもトラソラス同様、スペインノの刑法が定める最高収監期間である40年を終えた2044年に出所するらしい。
20年後、小欄がまだ続いていれば、出所の様子や反響を紹介しよう。
出典
https://www.lavozdegalicia.es/noticia/espana/2024/03/05/pido-perdon-victimas-dice-trashorras-condenado-11m/00031709655915841240198.htm