見出し画像

7/20 ニュースなスペイン語 Plan de calidad democrática:民主主義の質を担保する計画

民主主義の質を担保する計画――。

どうもこなれない訳なので、何か良い表現がひらめいたら代えるけど、取りあえず、今のところは、この訳で話を進めていこう。

多分、これから、この計画を巡ってあれやこれや問題がでてきそうなので、多岐に渡る計画だが、かいつまんでまとめておく。

この計画は偽情報を大量に伝播させることに相応の措置をとること、そして、そうした真偽不明の情報と闘うことを意図するものである(Este plan trata de responder a la difusión masiva de bulos y combatir la desinformación)――。

ペドロ・サンチェス(Pedro Sánchez)首相は水曜日、このように計画の概要を説明した。

サンチェスは、5月2日の小欄でも紹介したように、かねてから「泥塗りのシステム(máquina de fango)」という表現を用いて、ネット上のガセネタの他、サンチェス自身や彼の妻であるベゴーニャ・ゴメス(Begoña Gómez)に対する事実無根の批判やニセ情報に懸念を表明してきた。

今回の計画案はこうしたサンチェスの日頃からくすぶっていた不満が具現化したものだろう。

で、サンチェスは、真実を伝えるための情報を保証するために(para garantizar una información veraz)、民間報道機関の透明性(transparencia)、独立性(independencia)、多様性(pluralismo)を強化してゆくことで(fortalecer)、マスコミの環境をより保護してゆく(mayor protección al ecosistema mediático)とする。

ここまでは、なるほど、「自由なメディアなくして民主主義はない(Sin medios libres no hay democracia)」というサンチェスの信念に沿っている気がする。

この計画では、まず、報道機関の資産状況(propiedad)、次に、広告収入(asignación de publicidad instituciona)、そして、視聴率・聴取率の調査方法(medición de audiencias)について、透明化の新たな基準(nuevos estándares de transparencia)を定める、とある。

むむむ、報道機関にとっては、触れてはならないというか、触れられたくない、いわば聖域をグイッとこじ開けようとするのが、本計画の正体。

民間報道に散々叩かれてきたサンチェスが反撃に出た感じがするが、当然、そんなことはおくびにも出さず、

国民はメディアの財政状況、株主の氏名、そして、視聴率について知ることができるようにならなければならない(los ciudadanos deben poder conocer las fuentes de financiación de los medios, el nombre de sus accionistas y sus cifras de audiencia)

と、あくまでも、国民目線。

誰からカネを集めて、そのカネを何に使ってるのかをつまびらかにすれば、誰が喜びそうな記事を書いてるのかも自ずと見えてくる――。

こんな思惑が見え隠れしている。

まだ、書き漏らしてることがありそうなので、折を見て続編を出そうか。

写真は計画を発表するサンチェス。

報道機関にちらつかせているのはムチだけじゃない。

計画には、マスメディアのデジタル化に総額1億ユーロ(約170億円)にも援助する予算も折り込む(Un paquete de ayudas de cien millones de euros para la digitalización de los medios de comunicación)らしいので、まぁ、露骨なまでに、アメも見せつけている。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20240717/plan-sanchez-calidad-democratica/16188779.shtml