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12/10 ニュースなスペイン語 Guerrera:女戦士

小生は、8日の小欄でも触れたが、「女芸人」とか「女流棋士」のように「女性」であることをことさらに強調する表現が苦手なのだが、今回も、8日同様、その人が「女性」であることが重要なので止むを得ない。

その人の名はペパ・ムニョス(Pepa Múñoz(写真))という。

2021年9月24日や2022年3月14日の小欄でも触れたが、自然災害や戦争の際にいち早く被災地に赴き、温かい食事(comida caliente)を届ける「ワールド・セントラル・キッチン(World Central Kitchen;WCK)」という財団の女性の責任者が今日紹介するペパ・ムニョスだ。

ちなみに男性の責任者の方はホセ・アンドレ(José Andrés(下の写真))と言って、メディアなどへの露出度も高い。

ムニョスはマドリードで「エル・クエンコ・デ・ペパ(El Qüenco de Pepa)」という評判の良い(alabadísimo)レストランを経営する傍ら、WCKの活動にも一役買っていて、記事では彼女のことを「女戦士(guerrera)」と呼ぶ。

10月29日に寒冷低気圧(DANA)で大打撃を受けたバレンシア州の惨状が伝えられると、本部のある米国ワシントン州からマドリード支部に司令が入り、すぐさま炊き出し部隊(convoy)が結成されたという。

そして、翌日には、ムニョス率いる部隊は同州に向けて出発したのだからその機動力に驚く。

援助は明日ではなく、今日の内に(la ayuda se manda no mañana sino hoy)ーー。

まさしく、WCKを率いてきたアンドレスのモットー(consigna)を実践した形。

部隊は1日3万5000食の様々な食事を提供する。

温かい食べ物は、まず、高齢者、病人、そして、子供たちに行き渡るようにする(van destinadas sobre todo a los más necesitados: personas mayores, enfermos, niños)。

被害の大きかったアルファファル(Alfafar)の惨状を目の当たりにしたムニョスは声を詰まらせ(se emocionaba)次のように語ったという:

この被害を描写することはできません。信じられません。これこそ、悲劇そのもの。一番近いもの、それは戦争(No se puede describir esto. Es increíble. No hay palabras. Esto es una tragedia, lo más parecido a una guerra)ーー。

また、とりわけ被害の大きかったパイポルタ地区(Paiporta)では、バレンシアへの敬意(un homenaje a esta tierra)を込めて、同州名物のパエージャを振舞った(下の写真)というから、厳しさの中でも粋(イキ)なはからいを忘れないのが良い。

写真はペパ・ムニョス。

ちなみに、ペパは「ホセファ(Josefa)」の短縮形(hipocorístico)。

出典https://www.mujerhoy.com/actualidad/pepa-munoz-chef-da-comidas-victimas-dana-valencia-20241105144139-nt.html