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1/26 ニュースなスペイン語 Inconsistencia:一貫性の無さ

昨日の続報。

今回はイニゴ・エレホン(Íñigo Errejón(写真右))の弁護団(defensa)が本件を担当している裁判官にある資料を提供した(aporta)というお話。

本件とは、政権与党の中枢にまで登り詰め、将来を有望視されていた政治家エレホンが昨年、エリサ・モーリア(Elisa Mouliaá(写真左))という女優兼司会者(presentadora)に対して、性的暴行(agresión sexual)を加えた事件のこと(詳しくは2024年10月28日などの小欄を参照のこと)。

エレホンは国会議員を辞職し、現在は、モーリアと、暴行時に同意(consentimiento)があったかどうかなどを裁判で争っている。

昨日の小欄では、担当判事の被害者モーリアに対する尋問(interrogatorio)が「二次被害(revictimización)」に当たるとの批判が平等省(Igualdad)から出ていることを紹介した。

この度、エレホンの弁護団が提出した資料は、くだんの暴行事件から1週間後(una semana después de los hechos denunciados)、モーリアがエレホンにシルビオ・ロドリゲス(Silvio Rodríguez)というアーティストのコンサートに一緒に行かないかと誘ったメール(invitación enviada para asistir juntos a un concierto)で、今後の争点となりそう。

2019年から2023年にかけてモーリアとエレホンの間で交わされたメッセージは、暴行された日の夜、モーリアが全て消したとされる。

また、コンサートへの誘いのメールも、モーリアが告訴状を提出した後、彼女自身によって消去された(el mensaje relativo a la invitación al concierto también fue eliminado tras interponer la denuncia)らしい。

従って、残っているのは、エレホンがモーリアから受信したメールのみらしいが、証拠としての価値は高そう。

また、モーリアは、暴行以前の2023年に、元夫(exmarido)からの虐待(malos tratos)などについて、訴訟を起こし、エレホンにもそのことを相談していたらしい。

だが、モーリア自身の証言によると、その訴訟自体が内容に一貫性がないとの理由から(por falta de coherencia)、取り下げられていて(el caso se archivó en su relato)、弁護団はその際の諸手続きに関する文書の閲覧を求めている。

他にも、モーリアが事件後にテレビに出演した際の全動画資料(todos los vídeos de sus intervenciones en televisión)の閲覧も要求していて、テレビ内の発言と起訴状の内容との間に矛盾がないか(para contrastar posibles contradicciones)についても調査する構え。

エレホンの弁護団は告訴状におけるモーリアの一貫性の無さを示したいとしている(la defensa pretende demostrar inconsistencias en el relato de la denunciante)。

被害女性の心理は、男の小生がどれほど慮っても理解することなどできないが、しかし、なぜ、自分に暴行を働いた加害者をわざわざコンサートに誘ったのか。

写真はモーリア(左)とエレホン。

出典
http://www.rtve.es/noticias/20250124/defensa-inigo-errejon-aporta-nuevas-pruebas-caso-elisa-mouliaa/16420414.shtml