3/16 ニュースなスペイン語 benzodiacepina:ベンゾジアゼピン
舌を噛みそうな、そして、何回見ても諳(そら)んじられない。
スペイン語でも、そして、日本語でも初めてみる単語。
ベンゾジアゼピンは、睡眠を改善するために処方される薬(un fármaco que suele recetarse para dormir mejor)のことらしく、不眠症(insomnio)の人たちの間ではよく知られた薬剤のようだ。
日本では「ベンゾ(系)」という通称も使用されているみたい。
このベンゾの摂取が、スペインは世界でもトップクラス(el país del mundo con mayor consumo)だという。
スペインは、2020年に、毎日110錠(110 dosis diarias) が服用された計算になるようで、これは、日にわずか0.04錠しか服用されないドイツと比べ、2750倍になるという。
そして、1日の服用量が85錠のベルギー、そして、80錠のポルトガルが、スペインに続く。
ベンゾジアゼピンは、抗不安効果(efecto ansiolítico), 睡眠効果(hipnótico) 、筋弛緩効果(relajante muscular)によって、睡眠を改善するといわれているが、副作用も重大(importantes efectos adversos)。
中でも、耐性(tolerancia)は深刻で、 長期にわたる依存(dependencia a largo plazo)に繋がる。
そして、長く服用することで、交通事故(accidentes de tráfico)、家庭や仕事上のトラブル(domésticos o laborales)、問題となる行動(otras alteraciones del comportamiento y la conducta)なども引き起こすという。
なぜそこまでして、スペイン人はベンゾを服用するのか。
専門家は次のように話す。
私たちは競争とストレスに満ちた社会に暮らしています。そして、利益をあげるために、苦しまず、しかも、つまづくこともなく、日々のルーティンをこなさなければいけません(Vivimos en una sociedad competitiva y estresante en la que debemos sostener rutinas que exigen mantenerse al límite del rendimiento sin angustia y sin claudicaciones)。
そして、多くの人は日々の問題に立ち向かうことに困難を感じ、現実から離れたり、苦しみを和らげたり、よく眠たりするために薬に頼るのです(A muchos les cuesta enfrentarse a los problemas cotidianos y recurren a la química para desconectar, mitigar la ansiedad o para dormir)。
まぁ、これはスペインに限らず、日本でも同じことは起こるだろう。
小生がスペインで知り合ったスペインの何人かも、睡眠薬(もしくは、睡眠導入薬)を服用していたのを思い出す(ベンゾ系かどうかは分からないが)。
写真は「世界ベンゾ注意喚起の日」のパンフレット(一部)。毎年、7月11日だそうだ。
こういう日が制定されるほど、ベンゾの依存度は看過できない、ということなのだろう。
ちなみに、「不眠症」はスペイン語ではinsomnioだが、英語ではinsomnia。
スペイン語の姉妹言語では、例えば、イタリア語とポルトガル語では、それぞれ、insonnia、insôniaで「-a」で終わる。
でも、ガリシア語では、insomnioとなり、スペイン語同様「-o」で終わる。
何故だが分からないが、不思議。
こういう、小〜〜さいところに食指が動く。
出典
https://www.rtve.es/noticias/20230314/espana-pais-mayor-consumo-benzodiacepinas/2431665.shtml