玉置浩二さんのコンサートに出演した話。
今年最初に運を使い果たしてしまったかもしれない。
(※前置きをしておくとプロミュージシャンがサポートするアーティストのことを表立って好きとかファンですとか公言するのは御法度です。ファンの皆様に対してもですし、セキュリティー的なものや様々な事情が絡んでくることなので基本的にミュージシャンとしては言わない方が良いです。この記事に描かれていることは僕の心の内での話であり、コンサートを通して終始プロフェッショナルな振る舞いと演奏を貫けたので、一安心して振り返りつつ、これ以後もうこんな素敵な機会はないだろうなぁという別れの気持ちで今こうして書いています。)
昨年COVID-19によるパンデミック起こり、緊急事態宣言が発令されてからというものの演奏家としてはいろんな機会が失われました。
今年になってまた緊急事態宣言が発令され、そしていまだに解除されていない状況です。
自分は昨年を境に演奏会で演奏をメインの活動/収入とすることにこだわらなくなり、なんでもしました。
例えばこれ
あとは音楽を制作するようになり、3rdまでシングルを配信しました
その他がむしゃらにやりました、まとめてます
まあ何を言いたいかというと、なんでも必死にやって、求められることに対して柔軟にそして全力でぶつかって来た1年だったのです。
しかし
やっぱり演奏会は一番幸せ。音楽ってとてもいい。
なんです。
それを改めて感じさせてもらえたのが昨日の
「玉置浩二 PREMIUM SYMPHONIC CONCERT 2021」コンサートでした。
お誘いくださったのはコントラバス奏者である鷲見精一さん
こちらに彼の記事があります↓
鷲見さんはコントラバスとその奏者の未来のためにたくさん動いている素晴らしい方です。
リアルでの面識がなかったのですが、昨年彼のYouTubeチャンネルにて紹介していただいたことがきっかけでSNSで繋がりました。
僕と彼の共通点はコントラバスへの熱い思いと、玉置浩二への愛。
宇宙の歯車ははなんともうまく巡っているんですね。
COVID-19の影響により当初予定していたバルカン管弦楽団が入国できなくなりました。そして2/11の公演のオーケストラが編成されたのです。
そこで主席の鷲見さんによって声をかけていただき参加することとなりました。
依頼の文面に"玉置浩二"とあり、二度いや三度目を擦りました。
即お返事をして、出演確定。誰もみていないのにその場でお辞儀をしていました。あと八百万の神様たちにも土下座。
僕が出演した19年の10/19に放送された「さんまの東大方程式」内で"藝大生が選ぶ本当に歌が上手い歌手ランキング"で玉置さんは8位にランクインしてますが、それもインタビューで最初に答えたの僕です。(謎のアピール)
実はハマったのは藝大に入ってから、しかもこのカバーアルバム
「I LOVE YOU」にやられました
もともと尾崎豊が好きだったのでいろいろ聴きあさってるうちにたどり着いたこの曲。
上手いの次元を超えた歌声。なんで両親は玉置浩二を教えてくれなかったのか。恨みました。(嘘です)
そこから一気にファンになって、しかもサブスクも解禁されているので(素晴らしい心意気)いつも聞いてました。
2回目の緊急事態宣言の発令でハラハラ
依頼を受けてから少し後に再び発令された緊急事態宣言...!!
すぐに中止の連絡が来た演奏会がいくつかあったので、このコンサートもなくなるのではハラハラしていました、が、開催するとのこと。
僕も予防を徹底して臨みました。
4時間。
プロとして役割に徹しなくてはいけない。しかし別日に行われたリハーサルではご本人はおらず、オーケストラだけでのものだったのでお会いできるのは当日のゲネプロと本番のみという..!!!!!!
4時間。
同じ空間を共有するのに許された時間はわずか4時間でした。(すみません少し熱くなりました)
その中でオーケストラ編成にアレンジされた楽曲を理解し、低音パートとしてサウンドを支え、リズムをリードすることを全うせねばなりません。
心を鬼にして本番の日を迎えます。
ゲネプロが始まり玉置さん登場。やはり流石のオーラです。
曲が始まります(集中するんだ地代所!!)
今回のアレンジ、ドラムやエレキベースなどバンドのリズム隊がいないので、曲中に歌を聞くとそれは"死"を意味します。
運転中に速度計見ずに運転したらどうなるかは皆さんも想像にし易いと思います。
しかも今回は玉置さんがそこで歌ってるわけです。
ここまで書けば皆さんも僕が本番どれだけ集中して演奏したかわかっていただけたでしょうか?
ゲネプロで素晴らしい歌声でしたが、本番はもっと凄い玉置さん。
かろうじて自分の楽譜が休みの数小節だけ(一瞬ですよ)本人の方を意識することができましたがあとは必死に耳と目を開いて(指揮見ながら他の楽器の音聴きながら)演奏しました。
コンサート終盤(ここまででもう耳に入ってくる歌声で泣きそうです)、田園での手拍子はもう大変です。玉置さんの熱とお客さんの熱とそれでもクールに演奏しようとするオーケストラです。手拍子というのはとても厄介でホールの残響や距離感も相まって、ステージでの拍感とは違うリズムが客席から聞こえてきます。しかも5000人の国際フォーラムです。
そして最後の曲、はあもう終わってしまうと名残惜しい気持ちで楽譜をめくりましたが、曲の終わりにはなんとも爽やかなエネルギーと、希望が身体中に...。
音楽やっててよかったなとなんだか純粋な喜びみたいな感情に包まれました。
一夜明けても耳に残る柔らかい歌声。
ミッキーマウス、ウルトラマン、仮面ライダー、玉置浩二
玉置浩二さんとステージをご一緒してみて一つ不思議なことがあります。
なぜかあまり人間を感じなかったのです。
どんなに有名なアーティストでも完璧な人ってあまりいないんですけど、玉置さんはずっとパーフェクトでした。MCもなくマスクを外してからは歌うのみに徹した本番だったからなのかもしれません。
ミッキーマウスはステージ裏でもミッキーマウスだと聞いたことがあります。
ウルトラマンや仮面ライダーの俳優は、私生活でファンの子に会っても「あれはフィクション」とは言わないそうです。
共演者にも夢を与え続ける歌手・玉置浩二。
その凄さを改めて体感したコンサートでした。
僕は今年の運をもう使い切ってしまったかもしれませんが、いただいたエネルギーで死ぬほど頑張れそうです。(涙)
完。
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コントラバスパートのお兄様達と(チェロも一人)の写真をのせておきます。