【政策①】地震、津波、原発事故、戦争。みなさんは、これらが財政破綻と同じだと思ったことはありますか?
今回から、私たちの主張する「一新循環」についてご説明していこうと思います。
その前に、大前提として現在の日本の与野党が訴える経済・財政政策についてご説明します。
また、「政府の借金は国民の資産」や「円建てなら国債はいくら発行しても問題ない」「財政再建を主張する政治家は財務省の手先」など様々な財政に対する間違った見方がある中で、その持続性に関して、まずは具体的な例ではなく普遍的な出来事で例えてみたいと思います。
一部、前回と内容で被る点があるのはご容赦ください。
既存の与野党の経済・財政政策の内容は?
まず、私たちが既存の与野党と明確に異なる点、それは「明確な経済政策を持つか否か」です。
そこで、既存の与野党の経済・財政政策に関して考察していこうと思います。
以下にご紹介するのが、前回2021年の衆議院選挙の際の各党の公約です。
そして以下にお示しするのが、今年の参議院選挙の各党の公約です。
ご覧通り、与党は抽象的な経済支援策、野党は消費減税がメインだと言うことが分かります。これを評すると「場当たり的」「無責任」と言えるんじゃないかと思います。
なぜそのような批判をするのか?もちろん、支援策や消費減税はできるに越したことはありません。
しかし、前回の衆議院選挙・参議院選挙では各党いずれも、支援策や消費減税分の穴埋めの財源を具体的に示していません。示していたとしても、詳細な説明のない法人税・所得税の増税か、追加の国債発行で補うとしています。
ではなぜ、穴埋めの財源を示す必要があるのでしょうか?なぜ追加の国債発行を財源とするのに問題があるのでしょうか?
みなさんの中には、「何言っているんだ!日本は自国通貨建てで債券を発行しているのだから、いくらでも国債を発行できるはずだ。」と思う方もいらっしゃると思います。
現在、日本の国債残高は1000兆円を超え、過去最多となっています。対GDP比で約260%であり、先進国の中では最悪の水準です。
それでも問題ない。大丈夫だ。と言う方もいるでしょう。しかし本当に、絶対に、今後も問題ないと言い切れるでしょうか?
世の中に絶対に大丈夫と言い切れることはない。
東日本大震災以前、私たちは原発の安全神話を信じていました。日本の原子力発電所は多重防護、ないしは深層防護されているためメルトダウンを伴うような重大事故は起こり得ない。とされ、東日本大震災以前に原発事故を心配する国民はごく少数だったと思います。しかし、みなさんご存じの通り重大事故は起きてしまいました。
私たちは、21世紀以降隣接した主権国家同士による、大規模な地上戦を伴う全面戦争は起こらない。21世紀の戦争は、テロとの戦いであったり非対称戦が主体となると考えていました。しかし、現実にロシアによるウクライナへの全面侵攻が今年2月24日に始まってしまいました。
今まで起こり得ないと考えられていた原発事故や全面侵略戦争。このようなことが起こってしまう世の中で、なぜ、財政だけが、絶対に大丈夫と言い切れるのでしょうか。
地震、水害、火山の噴火などの自然災害や、自国の安全保障は、どれもいつか起こり得ることだと考え、それに対する想定をしておくことで、未来の安心に繋がるのだと強く感じます。
次回以降、日本の財政の問題点に関して具体的に、さらに深堀り考察していこうと思います。