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深夜の書店で見つけた、現代人への処方箋 ー 江戸の叡智が照らす「答えのない時代」の歩き方
片道90分の通勤電車。スマホの画面に映る自分の疲れた顔。「このままでいいのだろうか」という問いを抱えながら降り立った駅の書店で、運命の一冊と出会いました。
静かな革命は真夜中に始まる
橋爪大三郎著『面白くて眠れなくなる江戸思想』。帯の「眠れなくなる」という文字に、すでに不眠気味の私は苦笑を浮かべました。でも、この本は確かに私を眠れなくしました。ただし、それは心地よい不眠でした。
12人の思想家が語る「次の時代の生き方」
バツイチで実家暮らし、平凡なサラリーマンの私には、縁遠い「思想書」のはずでした。しかし、本書に登場する12人の思想家たちは、驚くほど現代的な問いを投げかけてきたのです。
例えば、荻生徂徠の「古文辞学」。情報過多の時代に、物事の本質を見抜く技術を説く彼の思想は、まるでAI時代を生きる私たちへのメッセージのようです。
時代を超えて輝く「三つの宝石」
1. 「江戸時代の人びとは、自分なりの思索を深め、やがて訪れる新しい時代に備えていた。」
- ChatGPTやディープフェイクの時代、私たちは何を備えるべきか。深い示唆を与えてくれます。
2. 「日本全体がチームとして頑張っていた。」
- 分断が進む現代社会への警鐘であり、希望でもあります。
3. 「志があっても不遇な、健気な若者たち」
- この一節を読んだ時、電車の窓に映る自分の姿と重なり、思わず目頭が熱くなりました。小4の娘の顔も浮かびました。
意外な発見:江戸の「笑い」と「粋」
堅苦しい教科書的な内容を想像していた私は、本書の随所に散りばめられた「江戸の遊び心」に驚かされました。本居宣長の歌会での機知に富んだやり取りは、今でいうTwitterの「バズり」に通じるものがあります。
「江戸流」で始める新しい朝
本書との出会いから、私の日常に小さな変化が生まれました:
- 通勤電車では「上級国民」のニュースではなく、「志」について考えるように
- 月に1〜2度の娘との時間では、本書から学んだ「江戸の知恵」を伝える遊びを始めました
- 実家の茶室で父と、たまには「道」について語り合うように
この本が「処方箋」になる人
- 年収や肩書きに囚われ、自分を見失いそうな方
- 転職・起業・結婚など、人生の岐路に立つ方
- SNSの「いいね」に疲れた方
- 日本人としての矜持を取り戻したい方
エピローグ:真夜中の「目覚め」
先日の深夜、終電後の書店で本書を手に取る若いサラリーマンを見かけました。かつての自分を見るようで、思わず声をかけそうになりました。でも、そっと見守ることにしました。彼もきっと、この本との「一期一会」を体験することでしょう。
実は今、この書評も終電後の実家の部屋で書いています。隣の部屋から聞こえるTVの大音量の音も、なぜか江戸時代からの応援メッセージのように聞こえます。
あなたも、この江戸からのタイムカプセルを開けてみませんか?「答えのない時代」を生きるヒントが、きっと見つかるはずです。
追伸:私の場合、本書のおかげで早寝早起きの習慣が戻ってきました。ただし、週末の夜更かしは「思索の時間」として、特別に許可することにしています。